同志社中学校
合格-2023年度
笑顔あふれる世界にするために世界で認められる作曲家になって、なやんでいることがある人や聴き心地のよい音楽を聴きたい人、元気になりたい人をいやしたり元気づけたりして応援することです。
私は初め、なりたい職業がありませんでした。しかし、学校の音楽の授業で阪神・淡路大震災のときUさんが地元である神戸の変わり果てた姿を見て「しあわせを運べるように」という曲を作曲された話を聞きました。その曲は人々の心をとらえ希望の灯となったそうです。これを聞いた私も自分の曲で人々を「笑顔にしたい」「感動をあたえたい」と思いました。ここで私の志ができました。これからもたくさんの努力をしていきたいです。
自分の生き方を見つけて
私は受験するという意思があるわけではなく、ちょうどコロナの自しゅく期間でひまだったので4年生の春、塾に入りました。4年生の時は宿題も難なくこなせており、成績はとても良いわけではありませんでしたが算数以外は悪くはありませんでした。でも、5年生に入るころ宿題がなかなかこなせず、ピアノとの両立にも苦労しました。私の習っているピアノのコースはプロを目指す人たちが行く、専門のコースでした。だから、塾に行っているからといって決してあまやかしてもらえる所ではありませんでした。そうすると4年生の時は大丈夫でしたが5年生になり、宿題の量も増え、だんだんと追いつかなくなってきました。しかも、私は超に超がつくほどのさぼりでコツコツ努力することができませんでした。でも、そんな時、話を聞いてくれたのは教室長でした。塾に入ってから約3年間、たくさん話を聞いてくださいました。そして一番大変だった4年生から5年生に変わる時、電話で2時間ほど話を聞いてくださいました。自分が塾をやめたいと言った時も今の自分の状況に苦しんでいた時も、教室長に話を聞いてもらい心が落ちつきました。
また、私が塾とピアノの両立で困っていた時に力になってくださった方がいます。それは学校の担任の先生です。塾の宿題がいきづまっていて学校の宿題ですらおろそかになってしまっていました。でもそんな時、担任の先生はこう言ってくれました。
「あやが受験をがんばるなら先生も応援する。だから、あやは絶対に決めた目標をあきらめるな。塾とピアノ、どっちも大事なら、全力でがんばれ。もし、学校の問題ができないのなら平日の宿題を休日の宿題の自主勉として出してくれてもいい。だからあきらめることだけはするな」
私はこの言葉を聞いたしゅん間、泣いてしまいました。今まで自分がだらしなかったこと、さぼっていたこと、全てに後悔をしました。
それと同時に私は自分にあった生き方というのを考えました。
「さぼってしまう原因はなんだろう」と考えた結果、私は家で勉強していることが原因と考えました。なぜなら、家にはスマホもあるし、まん画もあります。つまり、家の中には勉強のじゃまになるものがあるということです。だから、他の習いごとが無い日はなるべく塾の自習室を使いました。それでも成績に成果が出たのは6年生の後半でした。6年生の前半は日曜進学教室〈日進〉に慣れていなくて、テストの予習・復習がなかなかできなかったけど、6年生の後半は日進にも慣れてきてテストの復習をメインに勉強するようになると成績も上がりました。そして後半の日進では必ず自分の志望校の合格率が80パーセントをこえるようにしました。そうすると自分に自信がつき、入試当日は「絶対大丈夫」と自分を信じることができました。
私は中学受験を通して、たくさんのことを学びました。それはテストで使う知識だけではありません。
自分の支えてくださった方々に対する感謝の気持ち。つらいことがあってもあきらめず、ねばり強く立ち向かう心。共にがんばってきた仲間と最後まで全力で尽くすことの大切さ。そして、自分と向き合い、自分に合った生き方を見つけること。
ただ勉強するだけでは得られない様々なことを学びました。特に私が自分と向き合うことができ、自分に合った生き方を自ら考えらえたことはとても大きかったと思います。
これから中学受験をする人、しようかなと思っている人に私が考える受験で大切なことを伝えます。それは、「自ら考え、自ら発信する」ことです。
授業でも自ら発言をしたり質問をしたりして、ただ聞いたりノートに書いたりという授業にせず、アウトプットしてみてください。
また、自分と向き合い、「自分自身」を知ることが受験だけでなく、人生でかべを超えるために必要だと思います。
最後に私の受験は親や先生だけでなく、様々な人の支えがあったからこそできたのだと思います。
たくさんの人のおかげで進むことができる新しい中学校生活を、感謝の気持ちを忘れず全力で歩みたいと思います。
そしていつか、自分の志を叶え、お世話になったたくさんの人に恩返しをしたいです。
保護者からのコメント
保護者名 田中 和美
白紙のままの宿題プリントの束、「古紙回収に出すよ」と何回言ったでしょうか。でも6年生の秋からは、家で勉強することが苦手な自分と向き合い、塾で自習をし、授業は積極的に発言してアウトプット、その場で習得するなど自分で工夫できたことは、すごい成長であったと思います。
思春期に突入し、眠れない、勉強が手に付かない時期もありました。何度も教室長の先生に相談し、最後は「親の言う事はききません。全てお任せします」とお願いしました。先生方の数えきれない細やかなサポートのお陰で自信をつけた文が、「私、やる時はやってるから!」と言った時、家族は盛り上げるだけでいいと確信したことを覚えています。
4年生から成基学園にお世話になりましたが、先生を信頼し、一緒に頑張れる大好きな友達と走り切ったことは、文にとって、本当に幸せな経験でした。怒ったり心配したりが多かった私たち家族も同じく幸せでした。
担任からのコメント
「作曲家になる」4年生から通い始めた彼女は、その頃から将来の志を決めていました。自分が決めたことは完璧にこなしたいと思う性格から、ピアノと作曲と成基、うまく両立できずに悩んでいることもありましたが、「常に彼女の中に答えを持っている」と信じ、傾聴し続けました。6年生になり、彼女に対するお母様の関わり方に変化がありました。これまで「足を踏み外す前に何とかサポートを」という関わりから、彼女を信じて任せるようになりました。入試は1人として同じストーリーはない人間ドラマです。うまくいくと思っていても、なかなかうまくいかず、何度も同じテイクを繰り返し、1つ1つの場面でそれぞれが最善の選択をしながら、最高の結末を目指します。本人の成長と共に周りの大人たちも成長できる瞬間でもあるということを改めて感じました。これからも志に向かい努力と成長を重ねていってください。合格おめでとうございました。