同志社中学校
合格-2014年度
努力は必ず報われる
一月十八日。第一志望校である同志社中学校受験の日。朝、目覚めたときから全く緊張することもなく、その日は最高の一日になりそうな予感がしました。学校にむかう途中も直前激励会でも、すごくリラックスしていました。 それなのに、入試が始まると、最初の教科の国語で急に気分が悪くなり、その後の理科でも気分はよくならず、最悪の状態で試験を受けました。
第三科目の算数でも体調は最悪のままでした。もう同志社中に来ることはできないんだと絶望感が漂い始めました。うるんだように字もかすみ始めてきました。もうあかん――。あきらめの気持ちがどんどん、ふくらんできました。しかし、今までいろいろなことを教えてくださった先生や、一緒に勉強し、今それぞれ別の学校で自分の夢を実現させるため、最後までがんばっている成基の仲間のことを思うと、自分だけがここであきらめるのはいけないと思い、最後まで死力をつくして受験をやり通そうと思いました。無我夢中で社会の試験を終えて試験会場から出たときは、今までがんばってきたことを出し切ることができなかった悔しさでいっぱいでした。全く手応えがなかったので、合格発表まで不安な気持ちで待ち続けました。
発表の日。結果は郵便でやってきました。心臓がこわれそうなくらいドキドキしながら、震える手で封を切りました。合格――。一瞬、時間がとまったように思えました。すぐには信じることができませんでした。結果をようやく受けとめることができて、ぼくは予想外の結果に涙がとまらなくなりました。この喜びは、どう言い表したらよいのかわかりません。こうして、ぼくは中学受験を無事終えることができたのです。
ここで、ぼくの中学受験を振り返ってみようと思います。ぼくは、小学四年生で成基学園に入塾しました。小四、小五のときは、全く受験のことを考えていませんでした。なんとなく学園に通って、出された宿題をなんとなくこなす毎日が続きました。今思うと、なんてもったいない二年間を過ごしていたのかと悔やまれてなりません。
六年生になって、授業は週四日となり、日曜日には〈日曜練成講座〉や〈日曜進学教室(日進)〉がスタートしました。通っているときは大変でしたが、今振り返ると、そこで精神力が鍛えられたと思います。夏休みになると、〈夏期講習会〉や〈夏期合宿〉と、学習行事が増えました。ここでたくさん問題を解くことができたので、秋以降、受験校の過去問を解くときにずいぶん役に立ちました。二学期がスタートし、段ボール箱からはみ出るくらいのプリントに取り組みました。算数、国語、理科、社会――。自分で解いたプリントの量を見て、我ながら本当によくがんばったなと思います。しかし、決して「順風満帆」といえるものではありませんでした。思うように成績が伸びず、あきらめかけたことも何度もありました。でも、そのたびに家族や先生方に励まされ、今日までやり続けることができました。
この受験を通して学んだことが二つあります。一つ目は、「努力は必ず報われる」ということ、二つ目は、「中学受験は、家族や先生や友だちが支えてくれて、初めて成し遂げられる」ということです。成基のテキストやプリントやテストのやり直しを一生懸命、真剣に取り組むことで、自信は生まれます。自信があれば、結果を出すまで取り組めるから「失敗」という言葉は出てきません。ぼくが受験に集中するためには、良問を出してくださったり、わかりやすい授業指導をしてくださったりした成基の先生方、成績が伸び悩んだとき、励ましてくれた宇治教室の友だち、そして何よりも、ぼくを信じて支えてくれた、お父さん、お母さん、弟、祖父母の存在が不可欠でした。今、本当に感謝しています。何回、「ありがとう」を言っても足りません。
最後に、今回の受験をやり遂げて思うことがあります。それは、将来の夢がより具体的にわかったような気がすることです。ぼくの将来の夢は、「世界中の人が幸せになる便利なものを発明すること」です。発明するということは、今までにないものを創り出すのですから、当然うまくいかないことが多いと思います。今までのぼくなら、うまくいかないとすぐにすねてしまって、あきらめていたでしょう。しかし、中学受験という体験をやり遂げた今のぼくは違います。失敗しても失敗しても、あきらめずに前に進んでいける自信があります。なぜなら、「努力は必ず報われる」という体験をしたからです。周りの人を支え、そして支えてもらいながら、将来の夢の実現に近づくために、一歩一歩前に進んでいこうと思います。