京都市立西京高等学校
(エンタープライジング科)
合格-2013年度
感謝をこめて
高校受験に向けて、本格的に勉強を始めたのは、去年の三月からだ。けれど、行きたい高校や、その目標の達成に向けての意識の原点は、私の場合、中学受験にある。
私は、小学六年生のとき、京都市立 西京高等学校附属中学校を受験したが、不合格だった。
知求館で一年間、真剣に勉強してきただけに、本当に悔しかった。でも、本当に自分が合格に値する努力を重ねてきたのかと考えると、そうとは言い切れなかった。まだまだ自分を追い込めただろうし、もっと上手く時間を使えただろう。受験に対する必死さが足りなかったと思う。
西京高附中の合格発表の日、
「高校受験にはもっと本気で取り組もう。そして、今度こそ西京に入ろう。」
と心に決めた。
それから三年。高校受験に向けての勉強を始めた。
私は、人よりも理解が遅く、授業内容が身につくのにも時間がかかる。塾の授業内容がわからず、周りの人たちとの差を感じて、悔し泣きすることも何度もあった。
だから、とにかく、人よりも多く勉強することを心がけてきた。授業についていけなかったら、その内容を二回、三回とくり返し勉強して、意地でも理解する。数学の公式なども、家や学校で何度も唱え、無理矢理覚えてきた。
私は、理科と数学が苦手で、特にその二教科に苦労した。九月から始まった「日曜進学教室(日進)」でも、その二つはあまり点数が取れていなかった。
一度、「日進」の数学で、びっくりするくらい悪い点数を取ってしまったことがある。それまでは、理数は苦手でも、得意科目で点数を補えているからいいか、と思っていた。しかし、この「日進」をきっかけに、苦手から逃げずに、少しでもできるようにしなければならないと思うようになった。
そのために、睡眠時間を二時間ほど削り、勉強に充てた。それから、すき間の時間を探し、勉強するようにした。
それでもなかなか成績は伸びず、「日進」でも結果が出ない、苦しい時期が続いた。
そんなときに、先生がかけてくださった言葉にすごく励まされた。
「あんたには才能はない。でも根性はある。今時、めずらしいくらい根性がある。」
そう言って、先生は応援してくださった。
自分でも、特に才能があるわけではないと思う。理解力も低く、覚えも悪く、むしろ才能なんてないと思っている。それを割り切って……というのもおかしいけれど、私には根性があるのだ、努力できる人間なのだ、と思うようにしてきた。努力で補える部分はたくさんある。だからもっと勉強しよう、誰よりも努力してやろう、と思うことができた。
その気持ちを持てたおかげで、勉強を続けられた。先生には本当に感謝している。
その先生だけではない。
忙しいのに、時間をさいて質問に答えてくださった先生方、通常授業・「夏期合宿」・講習会で、楽しい授業をしてくださった全ての先生、中学受験が終わりじゃない、と背中を押してくれた小学部の先生、知求館に通わせてくれた両親、受験中心の生活に、我慢して協力してくれた弟、いつも私の一歩先を行き、刺激をくれた塾の仲間たち。
みんなに支えられ、助けられて、しんどいことも乗り越えられた。絶対に一人ではここまでこられなかったし、がんばり抜けなかった。私の合格は、本当に多くの人の支えがあってこそのものだと思う。心から、自分はしあわせものだと思っている。
本当にありがとうございました。
私は将来、国連に入って、世界の貧しい国や戦争のある国のために活動したいと考えている。
そのために大学に行くのも、そこで学んでいくことも、もちろん容易ではないだろう。これから先、今まで以上にしんどいことや、つらいことが多くあると思う。けれど、絶対に自分に負けず、夢を実現させたい。
高校受験がゴールなのではなく、これから将来に向けて努力していかなくてはならない。私はこの受験で、数えきれないほど多くの人に支えてもらった。受けた恩の分だけのがんばりを見せていくのは、ここからだ。
必ず、夢を叶えて、社会の役に立つ人間になりたいと思う。