京都市立西京高等学校
(エンタープライジング科)
合格-2016年度
本気を出す
私の将来の夢は、野球に携わる仕事に就き、野球を通して人々に勇気を与えることです。
私は中学校でソフトボール部に入っていて、その関係で野球にも興味を持ちました。たまたまテレビで甲子園球児の特集が放映されているのを見た私は、球児らのひたむきに努力し続ける姿に感動しました。苦しいなかでも、自分の不動の目標に向かい努力を重ねる姿は、私の憧れとなりました。
小学五年生の春、塾というものに何となく興味を持ち、通い始めたのが成基学園のトップ高ジュニアコースでした。明るく楽しい雰囲気で授業を受けていた、当時のクラス。それが好きで通っていました。だから特別熱心に授業を受けるなど、勉強に対して一生懸命ではありませんでした。しかし、負けず嫌いな私は、テストで友だちより悪い点数を取ると悔しかったので、そのときは、次は良い点をとるぞ、と勉強をがんばっていました。
中学一、二年生のときは、特別、サボっていたわけではないですが、勉強に対し真剣に向き合えず、ただ塾で与えられた課題を提出するだけでした。野球を通して憧れていたはずの目標を持ち、自ら努力を重ねる姿勢を、なぜか学習に対しては持つことができませんでした。
そして、「何となく」で日々を過ごし、中学三年生になりました。三年生の初めの面談で、担任のM先生に、
「少しずつでも良いから自習室に来て、自分の勉強のリズムを作っていき。」
とアドバイスをもらいました。受験生になったものの、何をして良いかわからなかった私は、とりあえず先生にもらったアドバイスを実践してみようと思い、少しずつ自習室で学習するようになりました。
自習室通いが本格的になったのは、部活を引退した夏休みからでした。塾の仲間も、夏休み頃から自習を本格的に始めていました。この頃の私は、受験に対して全力で取り組むことができていませんでした。勉強をがんばる自分に、何か恥じらいがありました。全力で取り組むことは、それが何に対してでも格好良いはずなのに、それが勉強に対してだと一生懸命になれない自分がありました。本気でがんばって結果が出せなかったら……、などの恐怖心も本気を出せていなかった一因でした。でも、京都市立
西京高等学校に絶対合格したいと思う自分もありました。
受験を終えて思い返すと、受験に本気になることが合否を決める大きな要因であり、本気でがんばることは自分との一番の闘いでした。
そんな私が本気になれたのは、周りにいた、苦しいなかでも志望校合格の一心で努力を続けていた仲間たちでした。その仲間の一人が、
「一緒に早くから自習室に来て、がんばろうよ。」
と声をかけてくれました。友だちには軽い一言だったかもしれませんが、この一言で私のやる気のスイッチが入りました。
仲間のその一言と、仲間の努力を続ける姿勢を見て、私は諦めず、がんばり続けるエネルギーをもらいました。自分ががんばることで、私も仲間にがんばるエネルギーを与えたい。そして、みんなで合格したい。そして何より、西京高校に絶対行きたいという自分の目標も、そのとき改めて意識しました。そして、勉強に本気になることができました。
私の努力のエネルギーとなったものが、もう一つあります。それは、私のために一番の応援と苦労をしてくれた家族です。文句一つ言わずに、サポートしてくれた家族の思いに応えるためにできることは、自分が志を持ち、それに向かい全力でがんばる姿を見せることだと思いました。そう思うと自然にがんばることができました。
そして合格発表の日、友だち、先生、家族、私のために尽力してくれた人が、合格の知らせを聞き、大喜びしてくれました。その嬉しそうな顔を見て、私はとてもとても幸せ者だと思いました。一緒に合格発表を見に行った、トップ高ジュニアコースの頃からクラスが同じだった友だちが、
「みんながんばってるのを見て、自分もがんばれた。」
と言っていて、私も仲間にがんばるためのエネルギーを与えられたと思いました。
「意志のあるところに道はひらく」
その言葉のように、私の目標への強い思いがあり、苦しみながらも自分の本気を出すことができ、無事、西京高校に合格することができました。
今までは周りに支えてもらうことが多かったですが、これからは自分の夢、目標に向かい、自分で努力を積み重ねていきます。そして将来は、反対に大好きな野球を通して、あと一歩踏み出し、がんばる勇気をみんなに与えます。