京都市立西京高等学校
(エンタープライジング科)
合格-2013年度
小さな一歩
私は小さい頃から、たくさんの動物を飼っていた。そして、たくさんの動物の死を見てきた。すぐそばにいたのに、何もしてやれなかったことが悔しかった。
私は将来、獣医になりたい。その夢を叶えるために、私はこれまでがんばってきた。
私が成基学園に通い始めたのは、小学四年生の頃。なんとなく行きたい中学校を選んで受験し、結果は不合格となった。
地元の中学校に行っても、成基学園には通い続けた。しかし、中学一年生、二年生となっても、小学校の頃と同じように怠けてばかりいた。授業を受けているだけで勉強していると思い込んで、復習などの家での勉強を全然していなかった。
当然成績も下がり、だんだんと授業のペースにもついていけなくなった。何度も母に、
「成基やめたい。」
と言うようになった。
三年生になり、志望校について考えるようになった。それまでの私の志望校は、立命館宇治高等学校だった。しかし、獣医になるという夢を叶えるためには、経済的な面からも考えて、獣医学部のある国立大学へ進まなければならない。そのためには三年間しっかりと勉強ができる環境のある、できれば公立の高校へ行く必要があった。
そんなとき、担任のY先生が面談で、西京・嵯峨野といった公立高等学校を勧めてくださった。自分の考えていた条件にも当てはまり、私は両方の高校説明会に行き、京都市立
西京高等学校を志望校にすることに決めた。ようやく目標が決まり、それまで怠けていた勉強にも、しっかりと取り組むようになった。
夏になり、「夏期合宿」が始まった。朝から晩までの勉強。本当に辛かったけれど、いい経験ができた。
「夏期講習会」でも、夜まで残って予習と復習をした。
秋になって、すぐに「日曜進学教室(日進)」が始まった。その頃になると毎日成基学園に通って、夜遅くまで自習室で勉強するようになった。
毎日の授業と「日進」の復習。さらに一、二年生での遅れを取り戻すために、昔の教科書やプリントを使って勉強した。わからないところがあれば、すぐにチューターに質問をしに行った。しばらくすると、苦手な英語の長文が少しずつ読めるようになった。
冬になると、さまざまなオプション講座が始まった。復習が追いつかないときは、学校の休み時間を使って勉強した。
そしてある日、自習室で勉強していると数学のS先生が、
「中二のとき、もうこいつあかんわ、と思ってたけど、最近がんばるようになったな。」
と言ってくださった。また、Y先生も授業中に、
「Yさんのように、授業のプリントを使って復習するのはいいことですよ。」
と言ってくださった。がんばっている姿は、先生方もちゃんと見ていてくださるのだと思って、嬉しく感じた。
入試一ヵ月前、授業でも過去問を解くことが多くなった。私は国語が得意だったので、K先生が記述の多い問題を出してくださったのが、とても良い練習となった。西京高校は記述式が多いので、時間が足りなくなると思ったけれど、このときの練習のおかげで素早く解答欄を埋めることができた。
いよいよ入試が始まった。今のままの実力で大丈夫かと不安になっていた。しかし、学校の成績が悪かったため、一番心配だった立命館宇治高校に合格でき、さらに奨学金まで取ることができた。このことで私は自分に自信がついて、二月十四日に落ち着いて全力で試験に臨むことができた。
毎日自習室に行くと、同じメンバーがいた。勉強が辛いときでも、そこに行ってみんなが目標に向かってがんばっている姿を見ると力がわいてきた。夜十時半まで残って、
「今日もがんばったなー。」
と言い合って、教室の電気を消すと、達成感があった。受験勉強はただ辛いだけのものではなかったと思う。
最後に、支えてくださった両親、先生方、そして、共にがんばってきた仲間たちへ。
ありがとうございました。
まだまだ将来の夢までは遠いけれど、これからも新たな一歩を踏み出せるように、高校でもがんばりたい。