洛星中学校
合格-2015年度
苦しみを乗り越えて
僕の将来の夢は、たくさんの人の命を救う医者になることだ。理由は二つある。
一つ目は、小さいころからお世話になっている病院の先生が、患者さんを診察してどんな病気であるか判断し、素早く処置されている姿を見て、かっこいいなと憧れていたからだ。二つ目は、父が医者をしていて、家で病院のことを話してくれるので身近に感じていたからだ。このような理由があって、人や社会の役に立つことができる職業として、医者になりたいと思った。
医者になるという将来の夢を実現させるために京都大学に行こうと思い、そのための第一歩として洛星中学校に入ろうと思った。さまざまな中学校がある中で、なぜ洛星中に入ろうと思ったのかというと、勉強だけでなく部活動にも力を入れたいと思ったからだ。また、充実した中学・高校生活を送るために、登下校の際に通学時間がどれくらいかかるかなども受験校選びの参考にした。
このように明確な目標が立ったのは、六年生のはじめだった。そして、その目標を達成するために、最後まで支えてくださったのが成基学園の先生だ。四年生までは良い成績だったが、五年生になって成績が悪くなっても、四年生の成績が良かったのだから、「自分は勉強ができる」と現実から目をそらすまでになっていた。
しかし、こんな僕の目を覚ましてくれた人がいた。それは六年生で、通常授業を受け持ってもらっていた四教科の先生だ。特に算数を教えてくださり、クラスの担任でもあったY先生は、僕の現状や入試に対する危機感の薄さ、問題の読み間違いや計算ミスが多いことについて叱ってくださった。その都度、僕は改心したが、また元に戻ってしまい、また叱られた。そんなことが夏まで続いた。
秋になり、ようやく先生の言うことが素直に受け止められるようになり、そのことによって授業の内容をどんどん吸収できるようになり、その結果やる気が高まって成績も向上した。六年生の初めのころの〈オープンテスト〉や〈日曜進学教室(日進)〉よりも総合順位が上がり、〈日進〉では毎回十番以内に入るようにもなった。五年生のときにあまり得意ではなかった算数でも、高い偏差値が取れるようになった。
しかし、〈冬期講習会〉、〈正月特訓〉、〈入試直前特訓〉と、冬の行事の頃はとても不安になった。その不安を解消するために、入試問題を解いて解いて解きまくった。問題を解いていないと、自分が置いていかれる気がしたからだ。
そして迎えた入試当日。洛星中の会場に行くまでは、とても緊張した。でも先生の激励で、不安・緊張・焦りは吹きとんだので、いつも通り試験に臨めた。「算数で高得点を取って合格してやろう」と意気込んで試験を受けたが、思っていたよりも難しく、試験が終わった後には不合格かもしれないと思い、気持ちが沈んでいた。多分、洛星中の入試が今まで受けたテストの中で、一番焦りながら受けたのではないかと思う。後で母から聞いた話なのだが、洛星中の入試が終わった僕は顔面蒼白だったそうだ。
そして合格発表のとき、他の中学を受験していて会場に行けなかった僕に、父からの朗報が届いた。応援してくれていた先生に合格していたということを電話で伝え、良い報告ができて、とても嬉しい気持ちになった。西大和学園中学校や東大寺学園中学校も無事に合格することができ、今まで苦しんでやってきて本当に良かったと思うと同時に、「努力は絶対に裏切らない」と確信した。
さて、ぼくは中学入試で終わりだと思っていない。将来の夢にたどりつく過程の一つを終えたと思っている。中学受験をしたことで学んだ「努力は裏切らない」ということを忘れずに、洛星中でもがんばり、必ず、医者になるという夢をかなえたいと思う。
2021年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
---|---|---|
間宮 大雅さん | 知求館 |