洛星中学校
合格-2016年度
将来への階段
ぼくの将来の夢は、JRの列車設計室に入って列車の設計をすることだ。小学五年生の頃、近くの駅で一枚のポスターを見た。それは、列車設計室のポスターで、そこに写っている人たちの働いている姿がとても格好よく見えた。それで、ぼくもあんな仕事に就きたい、設計士となって、みんなを笑顔にしたいと強く思うようになった。
ぼくの第一志望校は「洛星中学校」、いわゆる最難関校だ。洛星中は、理科の入試問題がすごく難しい学校で、それだけ理科に力を入れているのであれば、ぼくの将来叶えたいことの糧になるのではないかと思い、この中学校を選んだ。
だが、そんなに受験勉強は甘いものではなかった。ぼくの弱点は、成績の浮き沈みが激しいことだったが、あまり原因も考えずに過ごしてきていた。そのため、六年生になって〈日曜進学教室(日進)〉が始まると、成績が安定せず苦労することになった。第一回の〈日進〉は良い成績がとれたものの、第二回は成績がガクンと落ちてしまったのだ。さすがにこのまま過ごしてはまずいと思い、第二回の〈日進〉の後は、とにかく復習に力を入れた。すると、第三回の〈日進〉では成績がグンと上がった。このことでぼくは復習の大切さを知った。けれどもまた、復習をおろそかにしてしまった。すると、その影響で再び成績が悪くなってしまった。復習の大切さを知っていながら、ぼくはこの繰り返しで、〈日進〉の大半を過ごしてきてしまった。そのことは今でも後悔している。それでも一つだけ、成績が安定していた教科があった。それは社会だ。社会の成績が安定していた理由は、参考書の活用だと思う。『自由自在』などの参考書を〈日進〉のテスト前に読んだ。それを繰り返すことで成績が安定していった。
《エントランスコース》や《ベーシックコース》では、なるべく力を出し切ったつもりだった。しかし、回によって少し復習が甘くなり、思ったように成績が上がらず、復習の大切さを思い知らされた。それでも何とか〈最難関特訓〉への切符はとることができた。ぼくはこのとき、ここでまた気をゆるめたら同じことの繰り返しになると思い、これからは〈日進〉の復習を必ずすると決めた。
〈最難関特訓〉で先生が、「この問題を五分くらいで解いてください。」と言われたことに驚いた。自分では十五分くらいかかる問題なのに、と思いながらも、そのくらいスピードがないと受からないぞと自分に言い聞かせて、必死に食らいついていった。ここでの経験は将来の夢実現の糧になっていると思う。〈最難関特訓〉でのがんばりもあり、〈日進〉の《ウルトラコース》では毎回ベスト五十に入れるようになった。また、復習も手を抜かずに毎回するようにした。それからは〈正月特訓〉、〈直前特訓〉とすぐに時間が過ぎていき 、とうとう本番の日となってしまった。
一月十六日、洛星中の入試日。それまでにないような緊張に襲われた。しかも、一緒に受けるはずの友だちが少し遅れてくるということまで起きた。ぼくは会場で一人ぼっちだった。そういうときは、これまでに習ってきたことをすべて思い出し、落ち着こうと試みた。「少しでも力になってくれればいいな」と考えながら思い出していた。そうしていくと、意外にも緊張はほぐれていった。
しばらくして激励が始まった。激励では、外は寒いのに、そんな寒さを忘れるくらい先生方が熱く応援をしてくださった。「今までの努力は必ず報われる」そう強く信じて教室へと向かった。
終わったあと、手ごたえはあった。でも、自分で手ごたえがあったのなら、他の人も簡単だったと思っているだろう、という一抹の不安もあった。
合格発表の日、体中震えていた。五時までは緊張していたが、それからは気持ちが軽くなった。つまり、受かったのだ。この上ない喜びだった。友だち全員が合格したので、さらに喜びは大きくなった。
この六年間で学んだことは、たくさんある。その中でも、特に次の二つを学びとった。一つは、成績が良くても油断をしてはいけないということ。もう一つは、復習がどれほど大切か。復習をしないと、次のテストで点が取れなくなるということ。このようなことを学び、大きな壁を破ったことは、これからの人生に役に立つと思う。そして、ぼくは今回六年間努力したことで、将来への階段を一段上がることができた。まだまだ階段はある。一歩一歩進んで夢をかなえようと思う。
最後に、ぼくに関わってくださったみなさん、ありがとうございました。お父さんやお母さんが送り迎えをしてくれたり、先生方が授業をしてくださったりしたこと、すべてがぼくの一つひとつの大切な思い出です。まだまだ、これから階段を上がっていかなくてはなりません。つらいときもあるかもしれませんが、努力すれば報われることを信じて突き進んでいきます。
2021年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
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間宮 大雅さん | 知求館 |