京都市立堀川高等学校
(探究学科群)
合格-2014年度
栄光を掴むまで
ここまで来るのに、本当にいろいろなことがあった。今、目を閉じると数々の思い出が蘇る。
あれは三年前。洛南高等学校附属中学校に合格することを目標として、努力してきた自分の完全な敗北。洛南高附中はもちろん、洛星中学校前期、後期にも手が届かなかった。洛星中後期の合格発表の日、番号がないと分かったS先生とK先生が私を抱きしめ、
「すまん、受からせてやれなかった。」
と、涙を流してくれたあの日を一生忘れることはない。
それから私は地元の中学校へ入学した。
「高校受験では負けまい。」
と思っていた。だが、そんな気持ちは次第に薄れていってしまった。中学校の環境が受験とは、かけ離れていたこともあったが、何より勉強内容が中学入試よりも簡単だったからだ。
私は、最初の〈オープンテスト〉で全園三位だった。ケアレスミスも多かったため自信がなかったのだが、結果を見てびっくりした。当然、親にも先生にも期待された。だが私自身、全く嬉しくなかった。その後も駿台模試で京都府一位、全国順位二桁という成績を残した。周りの友だちや先生たちは騒いでいたが、やはり私はそれほど嬉しくなかった。テストの内容も、競う相手のレベルも、小学生のときに比べ、明らかに違っていた。私はどことなく、つまらなさを感じていた。
二年生になって、学校行事と部活動に熱心に取り組んでいた。もう、勉強をしようという気持ちはなくなっていた。高校受験について考えもしなかった……。
三年生になっても私は勉強する気が起こらず、部活動で好成績を残したので、推薦入学でもしようかと勝手に考えていた。塾にいた親友が何人も辞退し、自分も辞めたかった。そんな中、社会の授業時間にS先生が〈中3夏期学習合宿(夏期合宿)〉のクラスを私に告げた。
「O、お前は一組じゃない。二組やで。」その瞬間、私はついに自分の犯した罪がどれほど重いものだったかを思い知った。同時に自分自身に腹が立った。納得がいかなかったのだ。
〈夏期合宿〉でも、悔しい思いをした。三日目のテストで、二組の中のベスト五にも入れなかった。自分のせいであるとはいえ、現実は残酷だった。だが、これをきっかけに私は勉強にやる気が出はじめた。
夏の終わり頃、私は第一志望校を京都市立 堀川高等学校に決定した。部活動と勉強を両立することができ、校風も自分にぴったりだと思ったからだ。
そしていよいよ、〈日曜進学教室(日進)〉が始まった。第一回の順位は三十七位。第二回は二十七位。それまで幾多のテストで一桁順位だった私にとって、信じ難い順位だった。得意な理科も数学も、それほど点数がとれていなかった。いつしか私は、二十番台の付近を前後するようになっていた。
そんなとき、私に声をかけてくれたのは、同じ知求館の仲間だった。
「最近不調やね。あの頃のOはどこへ行ったん? 知求館のエースやろ! 早く復活してよね!」
ようやく自分の勉強方法が間違っていると気がついた。その日から勉強への姿勢を改めた。
結果はすぐに出た。その週の〈日進〉で全園九位、次の週は全園八位。先生たちも、私の成績が戻ったのを見て安心していた。その次の週では全園三位。数学は何度か百点をとった。もう誰にも負けたくなかった。気がつくと、自分の順位の付近にいたのは、あの〈夏期合宿〉で、一組にいた人ばかりだった。ときには、順位が思いきり下がったこともあった。その度に泣いていた。すると担任のM先生は、「泣いてる暇があったら、自分を分析しろ。」と言ってくださった。その通りにやった。そして一度だけだが、苦手な国語で全園一位をとることもできた。
年が明けて、〈正月特訓〉、〈直前特訓〉、共に一組で招待された。夏からの進歩を改めて実感することができ、嬉しかった。
入試はあっという間だった。堀川高校の入試日、現地に着くとそこには小学生の頃、知求館で私に授業をしてくださった各教科の先生たちが、私の応援に来てくださっていた。S先生もK先生もいらっしゃった。泣いてしまいそうだった。「ありがとう」を一体、何回言えば足りただろうか。
私には夢がある。それは人の命を救い、人から頼りにされる外科医になること。この夢を叶えるために、高校ではどの教科も気を抜くことなく勉強したい。
最後に、私を知求館へ通わせ続けてくれた両親、アドバイスをしてくれたり、心配したりしてくれた兄弟、いつも熱心に指導してくださった先生方、自分を助けてくれた知求館の仲間たち、そして、弱かった私をここまで強い人間に育ててくれた成基学園。今、すべての人に伝えたい。
本当に、ありがとうございました。
2016年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
---|---|---|
K・Uさん | 桂教室 | |
M・Oさん | 知求館 | |
Y・Kさん | 松井山手教室 | |
T・Sさん | 知求館ギャラクシー | |
S・Mさん | 御所南教室 | |
Y・Mさん | 宇治教室 |