京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2013年度
ゴールライン=スタートラインの法則
もう、どこにも受からない……。中学受験に失敗した私は、そう思い込んでいた。
私は、小五の夏に四条西院教室に入塾した。当時、勉強は嫌いではなかったが、ただなんとなく学校に通い、なんとなく
テストで点をとっていたため、勉強の本質的なおもしろさには全く気がついていなかった。そんな私に、
「塾の講師になって、勉強の本当の愉しさを皆に伝えたい」
という夢を持たせてくれたのは他でもない、成基学園だった。
成基での授業は、今までの生ぬるいものとは大きく異なり、とにかくびっくりしたことを今でも覚えている。やる気あふれるメンターの方々や、塾生たちと出逢って、勉強とは"やらされる"ものなのではなく"自らが学びとる"ものなのだということを、身をもって感じた。本気で勉強することは、予想以上に愉しかったのだ。
この夢のためにはまず、ハイレベルな勉強をして、実力をつけることが絶対条件だと思った。
高校選びは大きく人生を変えると思った私は、中学二年生から様々な学校の説明会に参加した。何を決めるにしても優柔不断で、パッと答えが出せない性格だったため、少しでも早く始めなければと思ったからだ。実際、最終決定に至るまでに何度も迷ったし、たくさん時間も費やした。
中学三年生の夏になり、まだ第一志望校もはっきり決まっていなかったが、「夏期合宿」に行くことになった。一日十時間以上も勉強する四泊五日の合宿は、思っていたほど辛くはなかった。授業はわかりやすくおもしろいし、先生方は優しくて、親身になって相談にのってくださって、充実した時間を過ごすことができた。
"夢のために、みんなががんばっている"そのことが、怖がっていた私を強くした。
ここで一人だけ怠けるわけにはいかない、一歩下がって見ていてはいけない、と思ったのだ。さらに、合宿での他教室の先生方との出逢いは、私の心の支えとなった。特に、K先生とN先生には大変お世話になった。入試間際に再会し、自信を持たせてくださったのもN先生である。
"一期一会"という言葉を、忘れないでほしいと心から思う。
無事に「夏期合宿」も終了し、いよいよ「日曜進学教室」が始まった。「ベーシックコース」での結果は百位から百五十位と散々なものだった。復習も全く追いつかず、苦手な数学だけで一週間を潰してしまうということも多々あった。そこで私は、「チャレンジコース」を受講することにした。これは、私にとっては大きな決断だった。どこかに、
「常に高いところにありたい」
と思う自分がいて、"チャレンジコース"という下のコースに自ら入るということは、とてもしんどいことだったのだ。私は、何でも一つひとつ丁寧にやっていかないと気が済まないという厄介な性格だったので、「ウルトラコース」で多くのものを取りこぼすよりも、「チャレンジコース」で着実に身につけないといけないと思っての選択だった。その後の成績は多少の上下はあったものの順調で、全園一位になったときは本当に驚いたし、嬉しかった。
しかしその後、私はメンタル面が弱かったために、表立って悪いことがあったわけでなくても落ち込んだり、暗くなったりした。
「何でこんなに頭が悪いんやろう。」
と本気で悩んだ。もはや模試で出したA判定は、あてにならなくなっていた。
そんな私を救ってくれたのは、家族や四条西院教室の先生方だった。何度も、何度も、
「どうしよう、もう絶対無理。」
とばかり言い続ける私に、ひたすら励ましの言葉をかけてくれた。そのおかげで私は、もう一度前を向いて一生懸命勉強することができた。
入試直前の一ヵ月間、
「移動時間が勿体ないから。」
と、学校から直接塾へ行く私に、毎日二つのお弁当を持たせてくれたお母さん、塾まで迎えに来てくれていたお父さん、力強く私を励ましてくださった四条西院教室の先生方、N先生、K先生、一緒に勉強してくれた仲間たち、本当にありがとうございました。
そして、授業のない日も塾に行って勉強するという、きっかけを作ってくれた、幼稚園のときからの友だちであるMさん、ありがとう。これからもよろしくね。
最後になったが、これからの受験生に贈りたい言葉がある。
"やるべきことが山積みになっているとき、その全体を見てパニックになるのではなく、自分の足元にあるものを一つずつ片づけなさい。そうすれば、案外早く視界は開けるものだから"
私が受験を通して学んだことだ。パニックに陥っている時間はない。歩みを止めずに一生懸命、自分を信じてがんばってほしいと思う。
私もまた、次の道へと歩き始める。