京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2013年度
あきらめない
私は、志望校に合格するために成基学園に入塾したが、三年生になるまでの二年間、本気で勉強をしたことはなかった。塾には行くけれども、二年生のときは遊んでばかりいた。勉強といえば、定期テスト前日の夜に、暗記事項を確認するぐらい
だった。そんな状態の私は、上のクラスに入ることはできず、志望校も遠かった。それに、数学ができなかった私にとって、成基での数学はなかなかついて行けず、学校の授業と比べて進む速さの違いや、自分のレベルの低さにとても焦りを感じた。
しかし、私はその焦りを解消することを後回しにして、遊んだりすることの方が多かった。そんな私の「Vもし」の成績も、検査模試の結果も悪かった。判定はDやE。さすがにひどいと思い、
自習室を利用して勉強を始めたのが夏前だった。
本当にこのままではいけないと思わされたのは、「夏期講習会」と「夏期合宿」だった。講習会でのクラスは四クラスに増え、合宿ではわからないほどクラスがあった。
知求館ギャラクシーで同じクラスの人でも、講習会では上のクラスに入り、合宿では一番上のクラスに入った人もいた。私の講習会のクラスは一番下で、合宿のクラスも上位に入ることはできなかった。
それがとても悔しくて、自分が勉強するしかないと思った。
「夏期合宿」は、朝から晩まで勉強で本当にしんどかった。そして、周りの人の○(まる)をつける音が気になった。特に数学は自分ができない分、その音を聞くのが悔しくて、
せめて苦手をちょっとでもなくそうと思い、自習時間に数学を中心に勉強するようにした。帰ってからも、補習が終わった後は塾に残り自習をした。とにかく、今までやってこなかった分を取り戻したかった。
夏が終わると「日曜進学教室(日進)」が始まった。始まる前の「日進」のガイダンスで先生から、「日進」の成績は志望校の合格率みたいなものだと言われ、本気でがんばろうと思った。
毎週、その日のテストの点数と偏差値、合格率がわかり、成績に一喜一憂するなと言われたものの、一喜一憂せずにはいられなかった。しかし、成績が良くても悪くても、
復習することは大事にした。特に数学は、同じテストを何度もやり直し、解説を見てもわからなければ質問するという形で復習した。そして、ただ見たり聞いたりするだけでなく、
問題を理解するようにした。国語は、出た漢字を書けるようにし、現代文より古文の復習を中心にやった。
そうして、「日進」のクラスが上がったときは本当にうれしかった。自分がやってきた成果が少しでも表れていることがうれしかった。だが、何度やってもできない問題が残ったり、
わからないと悔しくて、辞めたくなってしまったこともあった。「もう無理や」と、あきらめそうにもなった。しかし、自習室に行ったとき、
私よりずっと早くから勉強をしに来てる人や、集中して何度も質問に行く友だちを見て、いま辛いのは私だけじゃないと思った。それに面談で、
志望校に異論をはさまず話を進めてくださった先生や、受験のことで何度もケンカしたけれど、応援してくれている母や、周りのことを思うと、あきらめなんて気持ちも消えてしまうくらい、
がんばろうという思いになった。
「冬期講習会」、年が明けて「正月特訓」と、忙しい勉強の日々。自分から勉強しようと毎日塾に通って、「特訓講習」のテキストの復習や「適性講習」のプリントの復習、 とにかくがんばって復習をした。自分からこんなに勉強に意欲的になったのも、こんなに勉強したのも初めてだと思う。二月までの約一ヵ月間は、勉強も大事だが、 自分の気持ちが大切に思えた。必ずあの高校に行く、あきらめない。あきらめてしまったら、今までの努力は何の意味も持たない。入試本番の最後まで、私の敵は私だった。 辛くて泣きそうで精神的にもしんどかったけど、あきらめはしなかった。
適性検査を終えて発表の日。私は入試本番よりも緊張した。学校の担任から告げられた言葉は「おめでとう」だった。渡された紙には合格の文字。受かった。うれしいよりもホッとして、今までの自分を思い出した。
この合格は、自分一人で手にしたものとは思えない。周りの支え、そして、本当の意味で切磋琢磨できた仲間がいたからだと思う。
高校の説明会でよく聞く「切磋琢磨」。
受験を通して高め合い、励まし合い、競い合える仲間に出会えて、私はこの言葉を体感できた。そんな周りがあって、私がいるのだと思う。
私の将来は、はっきりとはしていないが、小学校から乗馬をしていた関係もあり、馬との関わりを仕事にしたい。
自分で世界を回っていろいろな馬や人との出会いもしたいと思っている。
高校受験で勉強は終わりではないし、これからも勉強、そして人間関係や自分との闘いは続く。辛くても、辞めたくなっても、それを乗り越えれば必ず希望が見える。
だからみなさんも、あきらめずに志望校に向かって進んで行ってほしい