京都府立嵯峨野高等学校(京都こすもす科) | 未来に向かって【高校受験-合格体験記】|成基学園-受験指導と志共有の学習塾

京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2013年度

未来に向かって

中学の三年間を通して、将来の理想の人物像ができた。それは、
「思いやりのある人」 「明るい未来を作っていく人」
そして、
「努力をし続ける人」
である。これまでは義務教育だったので歩むレールがあり、そのレールに沿って成長してきた。しかし、これから先は全て自分で決め、全て自分の責任になる。つまり、自分の未来は自分で作っていく、ということでもある。
東日本大震災が起こり、普通に暮らしている私はどんなに幸せなのか、改めて感じた。だから、被災して苦しんでいる人々に恥じないように、未来を作って歩み、堂々と自分の人生を一生懸命生きたい、と思うようになった。
この中学三年間を振り返るまで、私は集中的に力を入れてがんばったことが、何もないと思っていた。

中学に入学する前から、三つ上の兄の姿を見ていた私は、一回一回の授業を大事にして、テスト勉強をしっかりやり、宿題も忘れずにやった。学校でも塾でもそれは同じで、それが私の当たり前だった。
二年生の夏頃、部活の先輩たちが高校説明会の話をしていたのを聞いて、
「来年は私も受験するのだな……。」
と、少しずつ「受験」を意識し出した。

三年生になり、他の習い事よりも塾を優先して勉強をした。八月にあった「夏期合宿」。厳しい五日間を通して、今までの勉強の仕方、時間、勉強に対する姿勢のままでは合格できないと思った。だから、「変わろう!」と思ったが、結局意志が弱くて、変われはしなかった。
「日曜進学教室(日進)」が始まると、見たことのないような自分の点数にとても焦った。しかし、「百パーセントの復習をしろ」という先生の言葉を心に置いて、一回ごとの復習は欠かさずやった。しかし、百パーセントではなかったので、心のどこかに不安があった。「日進」では、苦手な問題が浮かび上がってきた。私は国語が苦手で、現代文も古文も全くと言っていいほど読み取れなかった。

そんなときに、学校で行われた学力テストで国語は半分しか点数が取れなくて、その点数が私の心に深く残った。
「このままで、本当に合格できるのか……。」
心のどこかにあった不安が大きくなり、自信も消えつつあった。
先生方には、今から読解をできるようにしても得点につながらないと言われ、古文を伸ばすしかなくなった。それまで古文が全くできなかった私は、目の前が真っ暗になって、思わず泣いてしまった。
そんな私の傍にE先生が来て、話してくださった。苦手なところの勉強の仕方を教えてもらったが、それ以上に、先生の一つひとつの言葉が私の励みになった。その後、教えてもらったことをやっていたが、「日進」の点数は、国語も他の教科もどんどん下がっていった。そのまま冬がやってきて、受験まで二ヵ月を切った。その頃、また自分で思い詰めて、
「受験勉強の仕方がわからへん! 今まで何もしていないし、がんばってもいいひん!」
と、泣きながら母に当たってしまった。すると母は、
「今まで、ずっとMがやってきたことが受験勉強や。一年の頃から、やらなあかんことをやってきたやんか。それでいいんや。」
と言ってくれた。本当にその通りだと後になって思ったが、そのときは信じてはいなかった。

その後、「正月特訓」や「直前特訓」でたくさんの問題をやっていて、ふと、古文が解けるようになっていることに気がついた。小さな努力の積み重ねが、やっと見える形として表れた。古文に少し自信が持てるようになった。
そして入試本番。第一志望校の試験は、それ以前に受けた他の二校とは比べものにならないくらい緊張した。先生方からもらったカイロをポケットに入れ、いつもの合掌をして心を落ち着かせた。
しかし、あまり手応えがなく、落ちているかもしれないと不安が募った。だから、合格と聞いたときは本当に嬉しくて嬉しくて、涙を流した。強い想いからくる緊張と、その想いが叶ったときの嬉しさを実感した。
こうして振り返ってみると、私の心の軸のようなものが見えてきた。それは、当たり前のことを当たり前にやり抜く姿勢と、日々少しずつコツコツとやり続ける姿勢だ。

これから先、高校へ行って自分の未来へ歩んで行くが、その行く先はまだぼんやりとしか見えていない。けれど、私の心の軸を貫き通して、未来に向かって堂々と歩んでいきたい。

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