京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2015年度
長い道のり
僕は、中学受験で不合格となりました。得意の国語で点数を伸ばすことができず、あと六点で合格だったことは本当に悔しく、しばらくは放心状態で過ごしていました。しかし、いつまでもその状態ではいけないという思いから、中学校で三年間 がんばろうと中学部に通うことにしました。でも、その思いはだんだんと薄れ、三年生の前半までは、ただ塾へ来るだけの日々を過ごしていました。
そんな状況を変えたのが〈夏期合宿(合宿)〉でした。〈Vもし〉の成績が良かったので、最上位の会場に入ることができました。僕はそれに浮かれてしまったのですが、実際は一番下のクラスで、さらにその中でも下から数えた方が早い位置にいました。〈合宿〉は、一日十時間を超える勉強漬けの五日間でした。そして、特に印象に残っているのは自習のときです。自習の席は成績順に前から座っていきます。普段一緒に授業を受けている仲間はみんな前の方にいるのに、僕は後ろから三列目の位置でした。そのときは悔しい気持ちよりも、情けない気持ちになりました。「あのときの悔しさは、どこへ行ったんだろう。自分は勉強から逃げているんだな」そう考えたときに、中学受験の悔しさを思い出しました。もうあんな思いはしたくない、その気持ちを呼び起こしてくれたのが〈合宿〉でした。
そして九月からは、〈日曜進学教室(日進)〉が始まりました。〈日進〉は常にライバルの存在を意識して取り組み、それまでの模擬試験は一喜一憂して終わりだったのが、〈日進〉を通して復習の習慣が身につきました。復習によって、今まで知らなかった知識がどんどん増えて、とても新鮮な気持ちで勉強が進みました。僕は、復習をしているときが楽しいと感じました。それと同時に、「質問」と「自習室での勉強」も習慣づきました。質問は苦手な数学が中心でした。一回では理解できないことも多かったけれど、F先生がそのたびに丁寧に解説してくださり、〈日進〉全十五回の問題は、すべて理解できました。自習室では、同じクラスの仲間の姿に刺激を受けました。自分の方が遅く来たときは、「次はもっと早く来て、もっと勉強しよう」そう思うことができました。〈日進〉十五回が終わったとき、学力を引き上げるためだけでなく、復習を中心とした一週間ごとの勉強計画を立て、効率よく勉強するサイクルの確立、本番同様の臨場感を体験するという意味合いも持つ、非常に有意義な講座だったと思いました。その後の〈正月特訓〉、〈直前特訓〉も、〈日進〉の経験を生かし、徹底的に復習をやりました。復習によって、学力だけでなく大きな自信も手にすることができました。
そして、あっという間に本番がやって来ました。でも僕には、不安は一切ありませんでした。それは、「自習室で、授業で、あれだけやってきたんだ。やれることは全部やったんだ」そのゆるぎない自信があったからだと思います。全教科落ち着いて解答することができ、家への帰り道は解放感でいっぱいでした。
僕はこの受験を通じて、受験前日までに、不安材料をすべてなくすことが一番大切だと思いました。受験当日に、「あの問題がわからないままだ。もし、同様の問題が出たらどうしよう」と不安な状態で迎えると、試験に集中できないと思います。そのためには、復習を完全にやりきることが大切です。復習をするための教材はあちこちに転がっているので、それらを使って自分の力にしてください。
この受験は、本当にたくさんの人に支えられてきました。常に全力で指導してくださった先生方。学習意欲を高めてくれた仲間たち。そして、ずっと僕を信じ続けてくれ、温かいサポートをしてくれた両親。本当にありがとうございました。僕はこれから高校生になります。特に勉強については、宇宙や気象に関することを深く学んでいきたいと考えています。これまでは漠然と「理数関係の職業につきたい」と思っていましたが、中三でこれらの分野を学んだときに、とてもおもしろいと感じ、特に興味を持った分野だからです。まだ誰も知らない宇宙の構造や、人間が逆らうことのできない異常気象の仕組みなどを調べ、人々の役に立てるような研究を、将来していきたいと思います。そのためにも、この三年間で学んだことを大切に感謝の気持ちを持ち続けて、僕は一歩一歩着実に進んでいきます。そして、次の大学受験でも、この高校受験で得た経験を生かしてがんばります。