京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2017年度
警察の鑑識官になって事件解決に貢献し、人々が安心して暮らせる毎日をつくることです。
私は小さい頃から刑事ドラマや警察の特集番組が好きでした。事件を冷静に分析して解決し、被害にあった人を安心させる姿が正義の味方のように見え、強く憧れました。中学生になり、証拠を集めて事件解決を陰で支える鑑識官という仕事を知りました。私も鑑識官になり、得意な数学や理科を生かして鑑識の精度をあげ、事件解決に貢献したいと思いました。そして、人々が安心して暮らせる毎日をつくる正義の味方になりたいです。
前進
私が成基学園に通い始めたのは、中学一年生のときでした。姉が通っていたので入塾することになりましたが、人見知りだった私は、はじめの一ヵ月ほど緊張しながら嫌々通っていました。しかし、はじめて他校の友だちができたり、授業で先生の話がおもしろかったりと、次第に通うのが楽しくなっていきました。
一、二年生の頃はただ定期テストで良い点を取るための勉強でしかなく、塾で出された宿題をこなすだけでした。そのおかげで定期テストではどの教科も九十点以上をとることができていましたが、受験に向けた強い意識はありませんでした。
そんな私の姿勢が変わったのは、二年生のおわりでした。その時に受けた模擬試験で、苦手科目である社会の成績がとても悪かったのです。社会だけ平均点を大きく下まわっていて、ショックを受けました。しかし、私は負けず嫌いなところがあるので、「これからはがんばって、社会を得意科目にしよう。」と思うようになりました。
そして受験学年である三年生になりました。友だちと志望校について話すことが増え、自然と姉が通っていた京都府立 嵯峨野高等学校を意識するようになりました。社会はK先生から教わり、一、二年生の時より熱心に授業を聞くようになりました。また、K先生は重要な用語をまとめたプリントを配ってくださいました。私はこのプリントを完璧に覚えようと決め、毎回行われる確認テストで満点をとることを目標に取り組みました。
そして、夏になり五日間の〈夏期学習合宿(合宿)〉へ行きました。知らない人ばかりのなかでやっていけるか不安でしたが、私と同じく嵯峨野高を目指す人たちと仲良くなりました。一緒にコースや勉強のことを話す中で、嵯峨野高を受験するんだという実感がわいてきました。
二学期になって〈日曜進学教室(日進)〉がはじまり、社会の勉強の成果があらわれはじめました。プリントで覚えた用語が出題されることも多く、点数が安定するようになりました。順位もベスト五十に入ることが増え、勉強したかいがあったと嬉しく思いました。
そんな中、次に悩まされたのは国語でした。〈日進〉の《ウルトラコース》での問題は難問ばかりで、偏差値はいつも四十前後でした。復習しても理解できない問題が多く心が折れそうでしたが、それと同じくらい悔しさもありました。どんな勉強をしていくべきか国語科のE先生に相談に行きました。E先生は私と一緒になって勉強の方法を考えてくださり、難しい問題は理解できるまで付き合ってくださいました。すぐに変化があらわれることはありませんでしたが、「国語は成果が出るまでに時間がかかるから、根気強く続けることが大切だよ。」と仰ってくださり、〈日進〉や講習会の問題を何度も解き直しました。そうしていくうちに、文章のパターンや解法のコツがつかめるようになっていきました。何より、諦めずに取り組み続けたという事実は自信につながりました。そして全十五回の〈日進〉が終わり、入試までの二ヵ月は過去問題とこれまでの問題の解き直しを徹底的に行いました。
いよいよ迎えた受験当日、十六回目の〈日進〉を受けに行く感覚で、緊張はあまりしませんでした。しかし、得意な数学で大問一つがすべて分からず、頭が真っ白になってしまいました。手が震えるのをおさえて深呼吸し、「分かる問題を完璧にしたら大丈夫。」と自分を落ちつかせました。試験が終わってからも少し不安な気持ちがありましたが、「解けなかった問題は、きっとみんな解けなかったはず。終わったことは忘れて、とにかく次に集中しよう。」と自分に何度も言いきかせました。そのおかげで、残りの教科は平常心を取り戻して無事に解き切ることができました。
合格発表の日、そわそわしながら学校に行きました。「あった。」自分の番号を見つけた後、本当にホッとしました。一緒に見に行っていた友だちの番号もあり、二人で何度も受験票を確認して喜び合いました。
受験が終わった今、私は感謝の気持ちでいっぱいです。忙しい中、毎日送り迎えをしてくれたお母さん。心配もかけましたが、いつも話を聞いて見守ってくれました。本当にありがとう。そして、応援してくださったコスモの先生方、ありがとうございました。先生方には、勉強はもちろん、志を持つことの大切さを教えてくださり、人生の師のような存在です。また、コスモのみんなは仲間でもあり良きライバルでもありました。こんな恵まれた環境で勉強できたことに心から感謝しています。
私はこの受験で精神力が強くなり、自分の中に何か強い軸ができた気がします。この軸がブレないように、ブレても自分で正せるように、志を持ち続け何事も諦めないで前進し続けます。