京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2015年度
自分の心に火をつける
私の将来の夢は、けがや病気で苦しむ動物を救うことができる獣医になることです。私は昔から動物が大好きで、何か動物の役に立てる仕事がしたいと考え、獣医になろうと決心しました。夢をかなえるためには理系分野に力を入れなければと思い、京都府立 嵯峨野高等学校を受験しました。
私が成基学園に通い始めたのは、中学一年生の時。その頃の私は、はっきりとした志望校もなく、勉強はテストの前に少しする程度のものでした。
そして二年生になり、先生が変わると、授業のスピードが一段と速くなりました。初めはついていくのに必死だった私も、スピードに慣れていくにつれ、怠け癖が戻ってきてしまいました。そして二年生の一年間はあっという間に過ぎ……。とうとう何もしてこないまま、三年生になってしまいました。その時には、嵯峨野高校という志望校はぼんやりと見えていました。しかし、まだまだのんきな私は、「塾の子たちも、まだ本気出してないな」などと考え、その場しのぎの勉強を続けていました。私はいつも行動するのが遅く、学校の定期テストの時もギリギリまで勉強せず、直前で慌てて始めるということがよくありました。母には、「早く着火して、必死こいてやりなさい!」といつも言われていました。三年生になったばかりの私は、マッチを探す、湿った導火線のような状態でした。
そんな私に火をつけるきっかけとなったのは、〈夏期合宿(合宿)〉でした。会場は「御所西 京都平安ホテル」でした。私は上のレベルの会場にいける、ということに満足していました。しかし、いざ授業を受けてみると、自分が分からない問題を周りの人は理解している。私は四組で、上にはまだ三クラスもあって、自分より賢い人がうじゃうじゃいる。そのようなたくさんの事実に愕然としました。普段、塾に通っているだけでは体験できないようなことが、〈合宿〉にはありました。〈合宿〉が終わると、すぐにやってきた〈日曜進学教室(日進)〉。テストを受けたその日に答案が返却され、順位が分かるので、自分のレベルを確認するには最適でした。最も良い時で全園四位という結果を出したこともありました。しかし、回を重ねるごとに成績が落ち、不安定だった時期がありました。あまり一喜一憂せず、復習に力を入れるようにしました。いよいよ入試も間近となり、苦手だった社会と数学を中心に勉強しました。そして私立二校に無事合格すると、残るは本命の嵯峨野高校の入試を待つだけでした。
公立入試当日。自分でも不思議なほど、緊張しませんでした。おそらく、塾で数えきれないほどのテストを受け、自信がついていたからだと思います。合格発表の日、掲示板に自分の番号が載っているのを見つけたとき、驚きのあまり、ポカンとしてしまいました。そして何事もなかったかのように帰宅し、しばらくの間ぼーっとしていると、じわじわと実感がわいてきました。そして、うれしくてうれしくて、母に何度も、「合格したんやんな!?ほんまに受かったんやんな!?」と聞いたのを覚えています。
嵯峨野高校に合格することができたのは、多くの人の支えがあったからです。頼りない私によく声をかけてくださった先生方、ありがとうございました。一番近くで私のことを気にかけてくれたお父さん、お母さん、よくわがままを言って困らせてしまったけれど、これまで応援してくれてありがとう。そして、同じ受験生であり、ライバルだった友だち。みんながいたから私はがんばれました。高校は違えど、三年間ともに過ごした思い出を私は忘れません。本当にありがとうございました。高校生になったら、今まで以上に努力し、夢に少しずつでも近づいていけるようにします。これから受験をするみなさん。苦しくて勉強をやめてしまいたくなることがあるかもしれません。そんな時、先生や友だち、両親は心強い味方になってくれるでしょう。残り少ない時間を大切に、体には気をつけて受験勉強をがんばってください。応援しています。