京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2019年度
宇宙関係の仕事につき、宇宙でしかできない実験・開発に携わり、人類の役に立つことです。
僕は、宇宙飛行士が無重力状態で実験をしている姿や、宇宙空間の写真を見て、こんなにおもしろい場所は他にはないと思いました。だから自分で宇宙に関わり、実験、開発をしたい、また、世界中の人に宇宙の壮大さを伝えられるような人になりたいです。そのために、理数系と、英語でのコミュニケーション能力を高め、自分の志に向かって歩んでいきたいです。
自分に克つ
僕は、中学一年生の春に成基学園に入塾した。最初は、中学でも良い成績をとって、御三家に行けたらいいな、ぐらいしか考えていなかった。そして授業が始まった。噂どおりスピーディーでハイレベルだったが、とてもおもしろかった。勉強のしごたえがあった。
初めての模試がやってきた。手応えはあまりなかったものの、結果は百番前後であった。まぐれだろうと思っていたが、回を重ねるごとに順位は上がっていき、二年生の中ごろに一番良い成績がとれた。そして、進学フェアなどに行き受験校を探し始めた。
そのときに出会ったのが、京都府立 嵯峨野高等学校だった。一度、オールイングリッシュで理科の授業をしているという新聞記事を見て、少し興味を持っていた。そして説明会で話を聞き、自分の志を叶えるステップを踏める高校はここだ、と受検する意志を固めた。
しかし、これが地獄の始まりであった。
志望校を決めたのはいいものの、二年生の終わりあたりから模試の成績が下がり始めた。今まで勝てていた人に勝てなくなることが出てきた。それまでの模試の結果で、自分の力を過信していたのだろう。しかしそのときは、そのことを否定し、自分の気持ちに嘘をついていた。「自分は部活をがんばっているから」と、当たり前のことを理由にして自己正当化していた。
しかし、自分を変えるきっかけがおとずれた。〈夏期学習合宿(合宿)〉だ。僕は奈良会場に行くことができた。周りには知っている人が一人もいなかったが、とてもわくわくしていた。しかし、すぐに自分の甘さがわかった。自分と同じぐらいのレベルの志望校を目指しているはずなのに、自分とのレベルの差に驚いた。中間テストはクラス最下位だった。その夜、同じ教室の先生に、「大丈夫か。」と声をかけられた。気付いたら涙が出ていた。そのとき初めて、自分が逃げていたことを認めた。そこから残りの数日間はとにかくがむしゃらにがんばった。たったの数日だったが、自分の成長が自分でわかった。最終日テストではクラスで二番になった。とてもうれしかったし、自分はやればできるということがわかった。しかしそれと同時に、自分がどれだけさぼってきたのかがわかった。
夏が終わるとすぐに、〈日曜進学教室(日進)〉が始まった。最初は、しっかりやろうと決めていた。しかし、すぐ現実を見つめなければいけなかった。〈ベーシックコース〉では順調だったものの、〈ウルトラコース〉になると、また自分の甘さがわかった。どうがんばっても最下位に近かった。自分が怖くなった。そして僕は、〈日進〉の勉強をやめてしまった。
十二月頃、赤本をやり始めた。そのときに気付いた。〈日進〉の大切さを。今までの自分の行動をとても後悔した。そして〈日進〉の勉強を再開した。自習室にも通うようになった。勉強することで、疑問ができ質問しようという気持ちが出てきたのだった。
結局、〈日進〉の結果は伸びなかったが、とても良い経験となった。〈日進〉で使用するテクニックは、入試でも使うテクニックだった。それからは、とにかく問題を解き質問するという繰り返しだった。
ちょうど私立入試一ヵ月前の日だった。急に不安になった。先生に相談すると、「それは勉強してる証拠や。全員そんな不安をかかえてるねんで。」と言われた。そうしたら気持ちが落ち着いてきた。また勉強に集中できるようになった。
〈正月特訓〉や〈直前特訓〉は、入試のリハーサルにもなり、いろいろな先生と出会うこともできた。そして、〈日進〉での後悔を活かし、家に帰る前に塾に寄り、すぐ復習して、自分のものにできるようにもした。
ラスト二ヵ月を全力で過ごしたから、入試当日は、心地よい緊張の中、自信を持って挑むことができた。合格発表で自分の番号を見つけたときは、とてもうれしかった。「勉強してきて良かった」と思った。
これから受験する人たちは、今からこつこつ自分の貯金をためてください。そうすれば受験前も落ち着いて、余裕を持って勉強できるはずです。あと、成基で行われる模試、〈夏期学習合宿(合宿)〉、特訓は、必ず自分のためになるので全力で取り組んでください。
最後に、こんな言葉を覚えておくと、いずれ役に立つかもしれません。
「彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず」。