滋賀県立膳所高等学校(普通科) | 失敗エピソード【高校受験-合格体験記】|成基学園-受験指導と志共有の学習塾

滋賀県立膳所高等学校(普通科)
合格-2024年度

わたしの志は、

建築家になって災害に強い家を建てることです。

私は小学生になって初めて、滋賀県には5つの大きな活断層があり、地震がいつ起こってもおかしくない状況にあると知りました。これを聞いた時、早く大人になって滋賀県から離れたいと思いました。しかし、実際にはどこにも大きな地震が起こる可能性があり、南海トラフ地震は地域全てに影響をおよぼすでしょう。私たちが安心して暮らすためには震度7にも耐え得る建物が必要だと思い、この志を持つようになりました。

失敗エピソード

私が中学1年生の頃、暗記することがとても嫌いでした。なぜなら、頭をほとんど使わないうえに、少しの時間をかければ覚えられると思っていたからです。そのため、塾の先生から「これとこれは全て暗記しておけ。」と言われたものの、全て無視してその他の課題をしていました。暗記するという課題を本当にやったのかどうかは先生には分かりません。だから、やらなくてもいいように感じてしまいました。それが受験期に入るまで続きました。暗記の大切さを初めて実感したのは、日曜進学教室という、3年生の中盤から始まる講座に参加した時でした。多くの人がスラスラと書けている理科や社会の記述で何点も減点されていたのです。その時から、今までに受けた模擬試験の解答を完全に覚えようとし始めました。しかし、覚えなければならない分は、英語にも理科にも社会にもあり、その中でも社会は圧倒的に多く、3カ月で覚えるのは、とうてい無理でした。覚えられずに3カ月が経過して、入試当日になりました。

まず初めに私立の入試がありました。私立の入試は、記述の問題がほとんどなかったので、受験した高校全てで最も良いかたちで合格できました。しかし、公立高校はそうはいきませんでした。暗記しなければならない文をだいたいで暗記していたので、得点すべきもので何点も減点されていました。一方で、他の受験生はしっかり得点したので、そこで差が生まれ、不合格になりました。そのため、よりいっそう一般入試に向けて暗記に力を入れました。そして一般入試当日、暗記したものをほとんどそのまま書き移せばよい問題が多く出題されたので、私は記述でしっかりと点数を稼ぐことができ、普通科には合格することができました。しかし、私の暗記は4カ月ほどで覚えた付け焼き刃だったので、少し減点されてしまい、少しの間違いも許されない理数科には合格できませんでした。膳所高校の合格発表では、受験番号の右側に、なにも書かれていないか、「理」という文字があるものがあり、「理」という文字があれば、理数科に合格したということになります。私は7時20分に合格発表の会場に着きました。そして、合格者の受験番号が書かれた紙が掲示され、自分の受験番号を探しました。そして、自分の番号は見つかりましたが、右側には何も書かれていませんでした。その時私は初めて自分が第1志望に落ちたと理解しました。私は悲しく思うと同時に悔しく思い、自分が中学1年生のときから塾の先生に出された暗記の宿題をしていたのならば、理数科にも、そして特色にも合格できていたのではないかと後悔しました。しかし、中学1年生に戻ることはできませんし、今さら後悔してもなにもできません。その時私は、中学受験のことを思い出しました。小学5年生の頃、学校で上位に入るほど勉強が得意だったので、中学受験を受ける時、あまり勉強していませんでした。それどころか、受験1週間前にもかかわらず、ゲームをしたり、テレビを見たり、漫画を読んだりしていました。結果は当然不合格でした。そのときも1日中遊ばず、1日中勉強をしていたら合格できただろうと後悔しました。

私は、高校受験で同じような誤ちを犯して不合格になるまで、中学受験の後悔を忘れていました。高校受験ではさすがに1週間前に1日中遊んでいるようなことはなかったですが、2年生の後半から勉強を始めるようなことはできませんでした。

人間は、失敗を忘れてしまう生き物です。私は、NHKの「ヒューマニュエンス」という番組で、人間は失敗を再びすることがないように覚え続けるのではなく、忘れようとすることを知りました。どれだけ強い後悔をしたとしても、1年過ぎれば完全に忘れてしまいます。

日々の様々な失敗は、とても大切な経験であり、忘れてはいけないと私は思います。そのため、これからの失敗は何かに書いて保存し、いつでも思い返せるようにしたいと思います。だから、この受験録には自分の失敗を残そうと思いました。これから高校受験をする人たちには、この失敗のエピソードによって、より、暗記することの大切さや、失敗経験の大切さを感じ取ってほしいと思います。

保護者からのコメント

保護者名 安田 知生

 我が子が成基学園に通うことになったのは、小学5年生の頃のことでした。本人が友達と一緒に中高一貫の中学校を受験したいと言って、通い始めたのがきっかけでした。希望の中学校には合格しませんでしたが、子供はこちらに通ううちに学ぶことの楽しさを知ったようで、塾の授業を楽しみにしているようすがよく分かりました。苦手な教科はありますが、社会科を特に大好きになり、いつのまにか塾の中でもトップクラスに入るほどの得意教科にしていました。高校受験の結果に関して言うと、残念ながら進学先は第3志望の高校になったわけですが、正直そんなことよりも、彼が学ぶ楽しさを知ったこと、社会という教科を通して、広い世界に興味を持ってくれたことが、もっと大きな成果だと思っています。これまで、我が子を温かく支えてくださった先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

担任からのコメント

樹くん、受験おつかれさま。合格おめでとう!
あなたは「真っすぐ」な受験生でした。志望校を決して曲げず、苦難のなかでも決して折れず、やるべきことにひたすらに向き合った勉強姿勢のことだけではありません。私たちメンターに対してのぶつかり方も「真っすぐ」そのものでした。解説指導が受け入れなかったとき、どこまでも食らいついて解決する姿勢は受験生として本当に素晴らしいありかたでした。
あなたは、大人の言葉を盲目的に信じるのではなく、本当に納得できるかを吟味してから咀嚼する、そんな自分に嘘を許さない真っすぐな受験生活を送ってくれました。
高校受験のなかで、多くの経験を積み重ねました。これからの3年間、そしてその先の未来でさらに多くのことに出会うでしょう。一つひとつに真っすぐに向き合って、咀嚼して、成長してください。あなたがどんな大人になってくれるのか今から楽しみです。志に向けて進んでください。いつまでも応援しています。

竹田 和篤(1人目)

苦しい思いの中、受験録(樹くんの言葉を借りれば、「後悔録」が合うかもしれませんが。)を書いてくれてありがとう。読んでいて、暗記を中心とした学習の大切を伝えられなかったことへの申し訳なさが込み上がってきます。私たち教科担当者が適切な時期に伝えられていたら、結果は違っていたでしょう。
樹くんの受験録は、これから受験をしようとする人たちに、私たちが伝えられなかった大切なことを教えてくれる貴重なものです。そして何より、もう二度と後悔はしないという決意が伝わってきます。教えられたことより、自分で学んだことだからこそ、他人に伝えられる力があります。他人に伝えられる力があるからこそ、樹くん自身の力に必ずなります。
希望していた結果の全てを手にしたわけではありませんが、合格おめでとう。次の受験も、その先も、応援しています。自信を持って前進し続けていってください。

駒村 英司(2人目)

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