滋賀県立膳所高等学校(普通科)
合格-2013年度
スタートは遅かった、だからこそがんばれた
「社会の教師になって、広い視野を持つ人間になる。」
それが将来の夢だ。 社会の魅力は、学んだことを人生の方針決定に活かせること。そして、実生活に密着した教科であるところ。
社会は、暗記教科などではない。それを伝えたくて、社会の教師になろうと思った。そして、「広い視野を持つ人間になる」ために。
社会の勉強は、小学校の頃から好きだったが、それ以外の教科は、ほとんど勉強していなかった。社会は勉強として、というより趣味として学んでいた。
しかし、その偏った勉強のツケは、中二の頃になって表れ始めた。定期テストの点が不安定になり、成績も「四」が増えていく。
このままではいけない。受験を意識する学年の後半になって、ようやく自分の認識の甘さに気づいた。
社会が得意だからといって、教師になれるわけではない。夢を叶えるためには、全てをバランスよく学んでいかなければいけないのだということを。
そんな折、友人に勧められ、中三から成基学園に通い始めた。
夢を叶えるには、他教科をもっと伸ばさなければならなかった。それまで塾に通った経験はなかったが、逆にそれが、良い緊張感をもたらした。
人より遅れてスタートした分、人より努力しなければいけない。
成基に入ってからも、目標を失うことはなかった。成績が上がっても、まだまだ上がいたからだ。
「Vもし」の偏差値が、七十を超えて臨んだ「夏期合宿」。トップ集団の中に入れたのではないかと思っていた。
だが、所属は四組で、番号は八十八番。自分の力はまだまだなのだと思い知らされた。
だが、逆にそのことで、もっと上を目指したいという意欲がわき、勉強だけに集中して、合宿を最高のものにすることができた。
しかし、「日曜進学教室」では、自己ベストを出した回でも二十位後半止まり。百位を切ってしまうこともあった。
「正月特訓」は、トップクラスの一組に入りはしたものの、上には四十人以上。授業もハイレベルで、二週間かけて予習をしていたにもかかわらず、小テストで0点を取ってしまうこともあった。中三から入ったがために、公式などの知識が周りより、はるかに少なかったことが原因だった。
様々な場面で、どれだけ越えたいと思っても、どれだけ続けても、越えられない壁があった。どれだけ努力しても、手の届かない目標もあった。辛くなって、やめたいと思ったこともある。でも、教室の先生や仲間のおかげで、精一杯やりきることができた。
滋賀県立 膳所高等学校
特色選抜の受験当日、会場へ向かう途中は、ものすごいプレッシャーに押し潰されそうになった。だが、会場に入ってしばらくすると、だんだん落ち着き、冷静な気持ちで問題に取り組むことができた。
試験時間は長いようにも、短いようにも感じられた。
試験後に感じたのは、
「できる問題は解けた。できない問題は、無理をせずにとばした。今の自分の力は、出しきることができた。」
ということだった。空白にした解答欄もあったのだが、不思議なことに後悔や不安はなく、
「これで落ちれば仕方がない。」
という、どこか吹っきれたような気持ちになっていた。成基での一年間が、自信につながったのかもしれない。
それでも、いざ合格発表の日となると緊張した。三年生から塾に入った自分が、本当に特色選抜で合格なんて、できるのだろうか。そんな気持ちで一杯だった。
学校での放課後、特色選抜の受験者が一人ずつ呼び出された。自分の番が来て、担任の先生の前へ座る。先生は笑顔で握手をしてくれた。
「おめでとう。」
初めは信じられなかったが、次第に喜びが湧き上がってきた。
努力は、ひとつも無駄にならなかった。一年間積み上げてきたことを、本番で発揮できたからこそ、結果が出せたのだと思う。
この一年、自分にとってかけがえのない一年を支えてくれた先生方、仲間、そして家族に、心から感謝したい。
2022年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
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髙井 佳音さん | 守山教室 |