京都府立洛北高等学校附属中学校
合格-2013年度
夢への一歩
ぼくの夢は、どんな状況でも真実を伝えて、人々を安心させたり、勇気づけたりすることのできるアナウンサーになることです。
二〇一一年三月十一日、東北地方に大きな地震が発生しました。「東日本大震災」です。ぼくはテレビのニュースや新聞記事で、こんなことを見聞きしました。地震の後、迫りくる大津波の恐怖と闘いながらも、沿岸住民の命を一人でも救いたいという一心で「高台に避難してください。」と、我が身が大津波に襲われる直前まで避難を呼び掛け続けた女性がいたということを。このことを知ったとき、我が身を顧みないでアナウンスし続けた女性アナウンサーの勇気に強く胸を打たれたと同時に、たくさんの人に情報を伝える大切さと、正確な情報を伝えなければならない責任感の重さを知りました。漠然とした夢しか描いていなかったぼくは、このニュースから、「人の役に立てる仕事がしたい」、将来、情報を伝えることを通して、人々の命を守ることのできるアナウンサーになりたい、と強く思うようになりました。アナウンサーになるためには、自分の意見や考えをまとめ、正しく伝える力が必要だと思います。そのための知識を身につけるには、学校の勉強にも真剣に取り組まなければならないと考え、夢を叶えるため、より高いレベルで勉強できる環境が整った中学校の受験をしたいと考えるようになり、小学五年生の春から成基学園に通い始めることになりました。
入塾した当初は、授業も難しく、全くついていくことができませんでした。その上、同じ時期に入った友だちが初めてのテストで、いきなり宇治教室内で一位をとったので、「本当にこのままでいいんだろうか。」と、不安に思い、自分への自信を持つことができない状態でした。それからしばらくは、仲間の背中を追いかけるようにがんばっていました。五年生の「夏期講習会」のときに、宇治教室内で初めて一位になることができました。これを機に自信が持てるようになり、今までの不安が少しずつなくなり、一気に成績が伸びだしました。ぼくはこのときに、「自信を常に持つようにしていると、自然に物事が良い方向へ進んでいく」ということを知りました。心の持ち方一つで、行動や結果が変わるのだと思いました。
そして六年生になり、「最難関特訓」に参加できるようになりました。しかし、「日曜進学教室」が始まると、またもや成績がどんどん下がり始め、第二タームと第三タームの「最難関特訓」には、補欠でなんとか参加できるようになったという状態でした。ぼくはそのときに、「こんな甘い勉強ではだめなんだ。もっともっと、自分に厳しく努力しないといけない。」という思いにかられました。そして、その反省をバネに、必死に勉強するようになりました。今考えても信じられないぐらいです。受験直前の「正月特訓」では、一番上のクラスで受講することができました。準備はすべて整いました。
いよいよ待ちに待った第一志望校である京都府立 洛北高等学校附属中学校の入試本番。入試の前は、「緊張するだろうなぁ」と思っていましたが、当日は緊張するどころか、「絶対に合格してやる!」と、やる気満々で入試に臨むことができました。
そして、合格発表の日。自分の受験番号を見つけることができると、「合格できた。」と安心する気持ちと同時に、言い表すことのできない喜びが心の奥からこみあげてきました。
これから受験を迎える後輩のみなさんが、受験で後悔することのないよう、普段から意識してほしいことがあります。それは「自信を持つこと」です。そして、「志を高く持つ」ということです。この二つを意識すれば、自然と良い循環ができます。目標を持つことによって努力できる、努力することによって目標が達成でき、目標が達成できると自信が持て、自信が持てると成績が上がり、成績が上がるとさらに上の目標がうまれる、という良い循環ができるのです。中学受験によって、たくさんのことを学び、たくさんの壁を乗り越えてきました。しかし、この経験も人生の一部にしかすぎません。「中学に合格したから終わり」ではなく、この経験は夢への一歩なのです。だから、これからも、大きな夢に向かって、一歩一歩を着実に歩んでいきたいと思います。東日本大震災で、自分の命を犠牲にしてまでも、一人でも多くの命を救おうとアナウンスし続けた人のように、誰かの生きる、そのために、ぼくも「強い人」になろうと思います。最後になりましたが、夢への一歩を踏み出させてくれた、家族、仲間、成基学園の先生方、その他、ぼくを支えてくださったみなさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
2023年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
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岡村 水葵さん | 知求館 |