京都府立洛北高等学校附属中学校
合格-2015年度
夢を実現するために
私の将来の夢は、病気で苦しんでいる子どもたちを笑顔にする、頼れる小児科医になることです。私が小学二年生のときに、五歳年下の弟が肺炎で入院しました。私の目の前で何度も熱性けいれんを起こし、とても心配な状態でしたが、一週間 ほどで元気に退院できました。ほっとして、とてもうれしかったことを今でも覚えています。その頃から、「お医者さんってすごいな」とあこがれるようになりました。
私は四年生のときに、成基学園に通い始めました。集団授業が私に合っていると考えた母の勧めで、いくつかの塾の授業を体験し、授業の雰囲気で成基に決めました。この頃は「受験」という意識はあまりなく、みんなと楽しく授業を受けているという感覚でした。しかし、四年生の最後の方になると模試などが増え、「受験」に対する意識が芽生え始めました。五年生から、中学校の資料を集めたり学校説明会などに参加したりしました。その中で一番行きたいと思った学校が、京都府立 洛北高等学校附属中学校でした。
洛北高附中に行きたいと思った理由は、「洛北サイエンス」の存在が大きかったからだと思います。洛北独自の「洛北サイエンス」という教科では、実際に大学や企業の研究所を訪問し、自分の手で貴重な器具に触れたり、実験したりすることができます。オープンキャンパスに行ったときに、「洛北サイエンス」の授業の中で行なった「色素の研究」や「走査電子顕微鏡での観察」などのポスターセッションの数々を見て、「この学校では、中学生でこんな専門的なことが学べるんだ」と驚きました。そして、校内を丁寧に案内してくれる中学生を見て、私も「あんなふうになりたい」と思ったのが五年生の夏でした。
私は三年生のときから、小学校のマーチングバンドに所属していました。マーチングの練習日と塾の授業日が重なることが多く、マーチングの練習が終わると、そのまま塾へ直行する日々が続きました。六年生では部長になったので、練習をあまり休むわけにもいかず、両立のための時間管理が大変でした。さらに私は、五年生の二月から剣道も習い始めました。先に習っていた弟の練習を見学したときに、「かっこいい、私も剣道をしたい」と思い、両親に頼みました。両親はスケジュールの厳しさを考え、反対しましたが、「毎日がどんなにしんどくなってもいい、私も剣道をしたい」という気持ちがどうしても強くて、説得して通わせてもらいました。道場の先生にも受験との両立を目指していることを伝え、理解をいただきました。マーチングも剣道も塾も、どれも自分で決めて始めたことなので、「しんどいという理由では絶対にやめない!」と決めていました。「文武両道」「継続は力なり」という言葉もあります。マーチングではチームワークの大切さを学び、剣道ではつらい稽古に耐える忍耐力が身につきました。マーチングも剣道も、塾と並行して続けていて本当に良かったと思っています。
六年生になるまでは、あっという間の時間でした。私の得意科目は理科と社会で、国語と算数は六年生になっても伸び悩んでいました。やがて〈日曜進学教室(日進)〉が始まりましたが、私は受講する回ごとに、得点の浮き沈みが激しく、もっと国語と算数に力を入れないと合格できないという焦りも出てきました。夏休みの〈夏期学習合宿〉では、成績順のクラス分け・班分けになっていて、私にはこれが一番プレッシャーになりました。「私より上位の人がこんなにいる。こんな位置にいて本当に洛北に合格できるのだろうか」といつも心配でした。九月になり〈日進〉が再開され、私は〈ウルトラコース〉で受講しました。順位はいつも下の方だったので、「今の私の位置はここなんだ」と冷静に受け止め、特に復習を中心にがんばるようにしました。
年が明けると、とうとう入試本番が近付いてきたという実感もわいてきました。入試前日も塾に行き、過去問の間違いをもう一度解き直して、理科のS先生に解説してもらいました。その夜は緊張で、なかなか眠れませんでした。そして、第一志望校の洛北高附中の入試当日がやってきました。激励に来てくださったK先生を見つけたときは、とてもうれしかったです。受験生がたくさんいて、会場の教室に入った途端、とても緊張してきました。試験が終わったときは、どの教科もあまり手ごたえがなかったのですが、力を出し切った満足感はありました。
そして合格発表当日。私は洛北高附中に合格することができました。苦しいときもあったけれど、一生懸命やってきて良かったと思いました。小児科医になる夢を実現するために、自分のために勉強するのだと意識し、あきらめなかったから、良い結果が出たのだと思います。
最後に、授業以外の時間でも質問に答えてくださった成基の先生方、送り迎えやお弁当を作ってくれた両親には、心から感謝しています。本当にありがとうございました。洛北高附中学校に進学しても今の合格の喜びを忘れず、いろいろなことに積極的にチャレンジして、頼れる小児科医になれるようにがんばります。
2023年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
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岡村 水葵さん | 知求館 |