洛南高等学校附属中学校 | 受験というもの【中学受験-合格体験記】|成基学園-受験指導と志共有の学習塾

洛南高等学校附属中学校
合格-2016年度

Y・Nさん

受験というもの

僕が成基学園SSSに入ったのは、三年生のときだった。入った理由は、他塾より難しいことをし、解説も丁寧だと聞いたからだ。僕の将来の夢は、内科の医者になることだ。SSSでなら、僕の夢をかなえられると思った。

さて、僕が三年生だった頃から振り返ってみよう。三年生は勉強をまともにしていなかったし、学習した内容が頭に入っていなかった。自分でも何のために勉強するのか、わかっていなかったと思う。

四年生になると、さすがに授業は集中して聞くようになったが、授業を受ける姿勢はなっていなかった。授業に集中するといっても高学年のような集中力はなく、ともすると途切れてしまい、早く授業が終わることだけを考えることすらあった。まだ、自分の授業姿勢の悪さに気付いていなかった。そんな僕でも、映像を多用して授業をされるT先生の理科の授業は、おもしろく感じた。ときどきではあるが、「よくわかった」という実感や喜びを得ることもあった。

五年生になったときは、集中して難問と闘えるようになっていた。算数科のY先生が難しいとおっしゃった問題をすらすらと解いて、ほめられたこともある。しかし、五年生から国語の成績が下がってきていることに気付いていなかったので、いつのまにか国語だけができない科目になってしまっていた。

五年生修了の時点では、受験まであと一年なのに、全く緊張感を持つことができず、国語を何とかしようとも思っていなかった。だが、六年生となり、国語科のO先生の授業を受けて、上達しなければならないと決意した。また、できると確信した。そして、苦手な国語を克服しようと努力し始めた。

〈日曜進学教室(日進)〉の《エントランスコース》が始まった。問題は基本が中心で、安定したスタートを切ることができた。自分に自信がつき始めていた。テストの後の先生方の解説はわかりやすかった。わからないところを残さぬように毎回心掛けた。

〈日進〉の前にある〈最難関特訓〉や、土曜日の朝にある〈土曜最難関特訓〉は、難しい問題を速く解く力や、じっくり考える力を身に付けられる場所だった。解けなくてくやしかったときもあるし、時間配分を間違えてあせったときもあった。〈最難関特訓〉は、そのような場合にどう対処すべきかを僕に教えてくれた。

通常授業の国算理社の先生方は、わかりやすく、おもしろい授業をしてくださるので、頭に授業の内容がどんどん入ってきた。思えば、この頃から授業姿勢が良いとほめられることが増えた。自分でも、一言も聞き逃すまいという気持ちで、全力で授業に臨んだ。

そして九月から、〈日進〉の《ベーシックコース》が始まった。《エントランスコース》よりは難しくなったが、成績は落ち着いていた。以前に算数科のY先生から、「今のやり方では、ウルトラになると十点しか取れへん。」と言われていたことが気になっていたものの、《エントランスコース》や《ベーシックコース》が良くできたので、言われるほどではないだろうと軽くとらえ、《ウルトラコース》になるのを楽しみに待っていた。

そして、ついに《ウルトラコース》が始まった。今まで落ち着いていた成績が、第十一、十二回で、いきなり下がった。不安になり、いらいらした。十二回の後、Y先生が励ましの言葉と共に、個別課題をくださった。それは、大阪星光学院中学校の十年分の過去問だった。クラスメイトが洛南高等学校附属中学校の過去問をどんどん解いていることが気にはなったが、「やるしかない」と必死で取り組んだ。

やっとの思いで仕上げ、Y先生に提出した。すると、「これは誰かの助けを借りたのか、一人でやったのか答えろ。」 と問われ、僕は、「問題を解いている途中に、アドバイスをもらいました。」と正直に答えた。するとY先生に、「俺は自力でやれと言ったやろうが。お前が約束やぶってどうすんねん。」と叱られた。そしてその日は、いつものように親しく言葉をかけてもらうこともなく終わった。僕は、どうすればいいか悩んだ。

次の通常授業の日、登校するとY先生から呼び出された。一旦あせりだすと動揺し、落ち込んでしまいがちな僕に、Y先生が、「これを俺の代わりやと思って冷静になれ。」 と、ある小さなお守りをくださった。その日以降、僕はそのお守りを見て心をしずめるようにした。どんな難問も、人や解答に頼らず自分で解けるところまで解き、そして質問するようになった。今思えば、このときから僕は「本物の受験生」として歩み始めたのだと思う。

そうして少しずつ、《ウルトラコース》でも点が取れるようになった。しかし、調子が戻りつつあると思った矢先に、また順位が下がった。くやしく思い、まだ本番じゃないんだから、と自分に言い聞かせた。成績が振るわなかった次の日に、再び先生方から弱点克服のための個別課題をいただいた。必死にやった。

この頃から、授業前や授業のない日も早めに登校し、質問しつづけた。授業後も下校時刻まで自習をした。下校時刻になったと教務の先生に言われ、そんなに時間が経っていたのかと気付くこともしばしばあった。

そのおかげで調子を取り戻し、順位も上がった。それでも、〈日進〉第二十回が終わったときは、まだやるべきことがあるような気がして不安だった。

そして、一校目の愛光中学校入試。合格と知ったときに、今までの取り組みに自信が持てた。唯一、緊張して不安になったのが、第一志望校の洛南高附中だった。しかし、今まで学習してきた自分を信じて解き進めた。国語が終わったときに、「これはいける」と思った。それでも、合格発表日まで緊張や不安の気持ちがあり、寝られなかった。しかし、いざ行ってみると一番下の列に二三二の数字があり、「よしっ!」と思った。Y先生に報告すると、抱き上げてくださった。今まで感じたことのない喜びが、体の奥から湧き上がった。また、すがすがしい気持ちにもなった。今まで溜めてきた力をすべて出し切れたからだと思う。

受験に成功できたのは家族の支えや先生方のフォロー、はげまし合える友だちの存在があったからだ。中学に行っても、これまでがんばった経験を活かし、何事にもくじけずやり切ろうと思う。支えてくれたみなさん、本当にありがとうございました。

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