滋賀県立
守山高等学校（普通科）
合格-2021年度

わたしの志は、

がんを治す薬をつくることです。

私は、小学四年生のときに、祖父をがんで亡くしました。祖父は前から余命を宣告されていたそうです。それまでは、自分の夢について深く考えたこともなかったのですが、祖父の死が私を変えました。小さな頃から私の面倒を見てくれた祖父に、何か恩返しできることはないかと考えました。そこで私は、がんで苦しむ人や、その家族を救うため、がんを治せる薬をつくることを決心しました。

Only one

私には、小さな頃から面倒を見てくれていた祖父がいました。祖父は、私が悩んでいるときには必ず何か助言してくれる人でした。体が小さかった私は、一年生の頃に、親から空手を習うことを勧められました。そして、一生懸命練習に取り組みました。しかし、あまり上達しませんでした。そのとき、祖父が私に伝えてくれた言葉が、忘れられない言葉になりました。「オンリーワン。自分の中でベストを尽くせ。」

考えてみれば、私は、周りばかりを見て、自分が上達することよりも、みんなのようになりたいという気持ちがはるかに勝っていました。みんなと体格も経験値も違う私が、見よう見まねでやってみても上達するはずがありません。祖父からの言葉を聞いたときは、周りのことばかりしか見えていなかった私には、とうてい理解できるものではありませんでした。

それから数週間後、祖父はがんで亡くなりました。「オンリーワン」が、祖父が私に遺した最後の言葉でした。私にとって身近な人の死は初めてだったので、これまでにないほどの悲しみを覚えました。そして、祖父の言葉どおり、自分でできることは全力で取り組むことにしました。

祖父の死から半年後、空手の公式戦で、初めて一勝することができました。これは、自分の中でのベストを尽くした結果だと思い、そこでようやく祖父の言葉を理解することができました。

私は、祖父が亡くなったときに、初めて自分のなりたい姿が見えました。夢を見つけることができたのです。私は、祖父が亡くなったときに、初めて自分のなりたい姿が見えました。夢を見つけることができたのです。

研究者になるという夢のために、夢について深く考えるようになりました。　オンリーワン……。私にできることは何だろう……。私のするべきことは何だろう……。自問自答することが増えました。

まず、私は研究者のことについて調べました。具体的な進路などを調べていくうちに、研究者になるには、今の学力では不可能だと気付きました。研究者も含め、どの仕事にも学力は必要です。当時の私には、考えもしなかった無理難題でした。

しかし、私は諦めずに勉強し続けました。ベストを尽くしました。それでも、努力とは裏腹に、結果はあまり良くありませんでした。そんなとき、友だちから成基学園への入塾を誘われたのです。それまで誰かに教えてもらうことなく勉強していたので少し戸惑いましたが、ものは試しだ、と、〈春期講習会〉に行ってみました。その時点では、私は、他の人と比べて少し遅れているようでした。しかし、先生方はゆっくりと丁寧に教えてくださいました。塾の雰囲気が良かったので、私は、成基学園で勉強することにしました。研究者への第一歩です。

それから私の成績は、目に見えるほどに上がりました。自力での勉強と塾での勉強はこんなにも違うものなのか、と驚かされました。そして、次の目標が決まりました。研究者になるためには、少し偏差値の高い高校に行く必要があります。たくさんの高校を調べて、中学三年生になるときに第一志望校を決定しました。

それから、志望校に合格するため、これまでよりも熱心に勉強しました。私のテストの結果は浮き沈みすることが多かったのですが、先生方は、私を勉強する気にしてくださいました。特に、夏の〈お盆特訓〉や、〈正月特訓〉といった長時間の勉強は、身体的には厳しく、辛いこともありました。しかしそのとき、先生から、高校の話や今必要な勉強法などを聞けたことで、その後の〈日曜進学教室（日進）〉や家庭学習に生かすことができました。

受験まではあっという間でした。これまで先生が教えてくれた全てで臨みました。案外、試験は緊張しませんでした。十四回の〈日進〉での練習の成果だと思います。

合格発表は、学校で行われました。私は緊張して心臓がとびでそうでした。そして、私の番がきました。

「おめでとう。合格です。がんばったね。」と言われました。私は、合格の二文字を聞いたとき涙がでそうになりました。努力が報われた気がしました。

しかし、研究者への道のりはまだまだ険しく長いので、今までどおり、オンリーワンで努力し続けます。