滋賀県立彦根東高等学校（普通科）
合格-2013年度

忙しさを言い訳にしないこと

私の夢は、医師になることです。テレビで、緊急救命の番組を見たのがきっかけです。誰よりも早く患者のもとに行って治療をする、そのおかげで助かる命があることに、とても感動しました。一人でも多くの命を助けられるようになりたいと思 います。だから、私は医学部に行くためにも、中学校に入学してから、ずっと進学校へ行くことを目標にしてきました。
しかし一年生のころは、それほど「受験」というものを意識できませんでした。それは二年生になり、成基学園に通うようになってからも同じでした。「受験勉強なんて、三年生になってからでも大丈夫。」そんな甘い意識から、塾でも学校でも予習、復習などは全くせず、ただ出された宿題をこなすだけの毎日を過ごしていました。

三年生になってからも、そんな日々は続きました。「いいかげん勉強しないといけない」という意識はあるのに、今までの生活を変えられない自分がいました。今、思い返すと、その原因は志望校を決めていなかったことにあると思います。ただ、「合格したい」という思いだけで、「絶対ここに行きたい」という意思がなかった私は、気づけば勉強から逃げていました。

しかし、そんな私の気持ちは「夏期合宿」で変わりました。
最初は、正直行くのが嫌で仕方がありませんでした。五日間も知らないところで、知らない人たちと勉強をして過ごすというのは、想像するだけで辛いものでした。また、そんな五日間を、私が乗り越えられるのかどうか心配でなりませんでした。
けれども合宿に参加したおかげで、私はそれまでの自分が、どれほど甘かったのかを痛感することができました。朝早く起き、ずっと授業を受けて夜は復習、という五日間は本当に辛かったですが、「この五日間を乗り越えたんだ」という思いは、その後の私の大きな自信になりました。今は、合宿に参加して本当に良かったと思っています。

そして二学期を迎えました。私の部活は十月まで続く中、周りの友だちは部活が終わり、勉強に本腰を入れていました。それは大きな不安でもありましたが、「私は私で、ちゃんと勉強すれば大丈夫。」と自分に言い聞かせていました。
そんな中、私が一番大きな壁にぶつかったのは九月、十月です。私の所属していた吹奏楽部は夏の大会で結果を残すことができたので、十月に富山県で行われる本大会を控えていました。また、それだけではなく文化祭に向けて、クラス合唱の練習、吹奏楽部、生徒会での発表の練習、学校のテスト、そして塾では通常授業に加え、「日曜進学教室」が始まっていました。毎日、毎日、忙しい日々が続き、成績も思うように伸びませんでした。今思うと、あのときの自分は全部を一生懸命にしている「つもり」でした。いつの間にか、忙しさを理由に勉強を疎かにしていたのです。
そしてある日、塾のＯ先生に指摘されました。「言い訳が多すぎる」と。同じようなことを母にも言われていました。そのときの自分は成績が伸びないのを、知らず知らずのうちに他のことのせいにしていると、やっと気づくことができました。

それから学校行事も終えた私は、合宿を終えたときの気持ちに戻り、「あと四ヵ月、がんばろう。」と必死になりました。そして、このときになってやっと志望校を決めたのです。初めから希望していた進学校であり、なおかつ、部活や学校行事などにも一生懸命になることができ、充実した高校生活を送ることができる学校。それは、滋賀県立 彦根東高等学校だと思いました。決断が遅すぎたと後悔していますが、具体的な目標ができ、より勉強に集中することができるようになりました。そのおかげで最後の二回の「Ｖもし」は、今までのなかで比較的良い結果を出すことができました。

そして迎えた特色選抜入試当日。「あれだけやったんだから、大丈夫。」と自分に言い聞かせていると、思っていたよりも緊張せず、いつも通り問題を解くことができました。

その一週間後、無事私学に合格でき、いよいよ彦根東高校の発表の日が来ました。
担任の先生が笑顔で、「おめでとう。」と言ってくださったときは、嬉しいというより信じられない思いでした。しかし、たくさんの人に祝福してもらううちに、だんだんと実感がわき、嬉しく、安心の思いでいっぱいになりました。
けれども、これで終わりではありません。入学しても彦根東高校へ合格した、あのときの気持ちを忘れず努力を続けたいと思います。また、全てのことに全力で取り組み、充実した高校生活を送りたいです。

最後になりましたが、ずっと私を支えてくれた家族、わかるまで何度も親身になって教えてくださった成基学園の先生方、そして私を応援してくれたたくさんの方々、ありがとうございました。みなさんのおかげで、私は何とかやってくることができました。本当に、感謝の思いでいっぱいです。