滋賀県立
石山高等学校（普通科）
合格-2013年度

合格への道のり

「Ｏ・Ｍ、……合格。」
担任の先生からそう言われて、合格通知を見せてもらったときの気持ちは、今でも鮮明に覚えています。驚き、喜び、感動､ そして信じられない……。そういった多くの感情が一気に押し寄せ、思わず先生に、
「ほんまですか?!」
と聞き返してしまいました。そして先生が、微笑みながらうなずいてくださったとき、私は嬉しくて泣きました。

私が本気で勉強に取り組み始めたのは、中学二年生のときでした。それまで私は、テストのとき以外、全くと言っていいほど勉強をしていませんでした。そんな私を勉強に目覚めさせてくれたのは、成基学園で中学二年、三年と担任をしてくださったＭ先生でした。Ｍ先生は、私が一番苦手だった教科の先生でした。とても厳しい先生で、理解するのが遅い私は、中学二年の頃の授業では毎回叱られてばかりいました。
しかし、このままじゃダメだと思い、先生の授業に、そしてクラスのみんなについていきたいと思う一心で勉強に励みました。すると、いつの間にか一番苦手だったその教科が、私の一番得意で、また一番好きな教科に変わっていました。Ｍ先生に教えていただいたことが、私の合格への道の大きな柱となりました。
そして、私が合格するのは厳しい、といわれていた滋賀県立 石山高等学校を第一志望校に決定し、合格するためにがんばって勉強を進めていきました。

しかし、三年生になり、いよいよ受験シーズンが始まるというときに、私にとって、とても衝撃的なことが起こりました。
私は、バスケットボール部に所属していたのですが、練習試合のときに膝の靱帯(じんたい)を切ってしまい、手術とリハビリのために五週間も入院することになりました。夏の最後の試合に出られないというショック、そして学習面では、周りから遅れをとってしまうという不安が、頭の中をぐるぐると回りました。そしてそのとき、私は自分の第一志望校だった石山高校をあきらめようとしました。
しかしそんなとき、母が私に、
「後からがんばれば大丈夫。」
と励ましてくれ、Ｍ先生が、
「勉強のことは気にしなくていい。」
と言ってくださいました。
その言葉が私の大きな支えとなり、今まで心の中にあった不安が消え、そして、その言葉が勇気に変わりました。
「退院したら、必死にがんばろう。そして、絶対に石山高校に合格しよう。」
私はそう決心して、長かった入院生活を乗り切ることができました。

退院してからというもの、私は自分の決心を胸に、必死で勉強に取り組みました。そして、あっという間に夏休みが終わり、「日曜進学教室（日進）」が始まりました。私にとって「日進」は、自分との闘いでした。どれだけ勉強をしても点数が上がらない、何度復習してもそれが結果に表れない、それどころか、周りからもどんどん離されていく、そんな辛くて厳しい日々が長く続きました。
勉強しても成績が上がらないなら、もう勉強なんてどうでもいい! !　こんな成績で合格できるはずがない。私はこうして、くじけてしまいそうになるときが、よくありました。
しかしそんなとき、母はいつも私に言ってくれました。
「がんばってたら、きっといいことがあるって。だからがんばり。」
私はその言葉を信じてがんばりました。そして塾の先生からも、たくさんの励ましの言葉をいただきました。そんな、みんなのおかげで私は、最後の最後までがんばることができました。そして、見事合格することができました。

私はこの一年間を通して初めて"努力"というものを知りました。私はこれまで、自分の中で努力と言えることをした覚えがありませんでした。それどころか、努力するという感覚すらわかっていませんでした。
しかし、今ならわかります。私がこの一年間やってきたこと、そのすべてが"努力"だったということが。
また、私がこの一年間がんばることができたのは、私を支えてくれた、たくさんの人がいたからです。もし、自分一人の力だったら、ここまで来ることはできませんでした。友だちや塾の先生、そして家族。みんなの支えがあったからこそ、今の私があるのだと思います。そんな私を支えてくれたみんなに、心から感謝したいです。

私の将来の夢は、英語を好きになってもらえる影響力を持った先生になることです。中学二年まで嫌いだった英語が、担当のＹ先生のおかげで分かる喜びを知り、「好き」に変わることができました。私も先生のように、英語の楽しさを教えられるような存在になりたいと思います。
一年間、本当にありがとうございました。