滋賀県立
石山高等学校(普通科)
合格-2014年度
七転八起
中学三年生のある日、友人が私に、
「この問題教えて。」
と言ってきた。人に問題を教えるのは初めてだったので、理解できるように教えられるかどうか、不安な気持ちでいっぱいだった。しかし、私が教えたことで友人がその問題を理解し、笑顔で私に、
「ありがとう。」
と言った。そのとき、教えることで人を笑顔にさせられるなんてすごいと思った。教える前の不安な気持ちは自信となった。そして、それと同時に新たな気持ちが芽生えた。それは教えることで、もっと人を笑顔にさせたいという気持ちだ。そして、このとき私は教師になりたいと思った。
私が成基学園に入塾したのは、中学三年生になる春休みだった。成基学園に入塾しようと思ったきっかけは、友人の勧めや「成基」という塾名をたびたび聞いていたことにあった。
入塾テストでは、今まで見たことのない最低な点数を取ってしまった。その点数を見た瞬間に私は、自分はこんなにもできない人間なのかと絶望的な気持ちになった。しかし、その気持ちが私に「やる気」というものを与えてくれた。そのときからは、同じクラスの人たちや上のクラスの人たちに勝とうと、コツコツと勉強をやり始めた。私は、真剣に部活動に取り組んでいたので、部活動を優先することが多かったが、文武両道を常に心がけて、両方に一生懸命取り組んだ。そのかいあって成績はどんどん上がっていった。成績が上がっていく実感は、私に自信を与えた。しかし、自信を持った私をあざ笑うかのように恐ろしい一大イベントが幕を開けた。
それは、一年で一番印象に残っている〈中3夏期学習合宿(夏期合宿)〉だ。そのスケジュールは過酷なものであった。さらに、知っている人が同じクラスに一人もいなかったことで、より過酷なものとなった。テキストも難しく、分からない問題ばかりだった。先生に当てられても分からないから、「分かりません。」と言うしかなかった。そして、その問題を誰かが答えると私が他人よりも劣っていることに気付かされ、〈夏期合宿〉に来る前の私の自信は粉々に粉砕された。
しかし、そこには大きな収穫もあった。それは、「勉強をする習慣」と「もっと賢くなりたいという強い気持ち」だ。〈夏期合宿〉が終わってからは、この二つの収穫をもとにひたすら勉強した。新しく始まった〈日曜特訓講座〉も真剣に取り組んだ。
そして、十一月に第二回の〈滋賀Vもし〉があった。ここで勉強した成果を出そうと臨んだが、なぜか偏差値は下がっていた。とても悔しく、その日からは一日最低六時間を目標とし、自分の部屋にこもって勉強をした。冬休みに入ってからは、〈冬期講習会〉〈冬の県立入試特訓〉〈正月特訓〉とさまざまなオプション講座が始まった。この冬休みで確実に成長したいと思っていた私は、勉強のやり方を変えた。とてもシンプルだが予習と復習を完璧にするというものだ。この勉強方法で成長できるかどうか、正直私にも分からなかった。しかし、私の成績は何段階もレベルが上がっていた。それに気づいたのは、年明けの学校での実力テストだった。それまでは、二十位前後を彷徨(さまよ)っていたのだが、そのときは初めて六位に入ることができた。最後の第三回〈滋賀Vもし〉でも偏差値は七も上がり、教室内順位も八位に入ることができた。この時点で本番は六日後に迫っていた。だから、これらの結果に満足せず、私はよりいっそう勉強に励んだ。
そして二月六日、滋賀県立
石山高等学校の特色選抜試験の日、やることはやったので緊張することはなく、会場へと向かった。そして校門で、激励に来てくださったN先生が、
「Aは受かると思うで。」
といつも通りニコニコした顔で言ってくださった。その言葉で私は、さらにリラックスして試験に臨めた。試験では、自分ができること全てを出しきった。しかし、自信が全然持てず、落ちたかも……と思った。だから、一ヵ月後の一般選抜入試に向けて今まで以上に勉強した。
そして、発表の二月十三日が来た。一人ずつ廊下に呼び出されていく中、私は心臓バクバクで待っていた。そして私の番が来た。私はとても不安だった。しかし、先生は笑って告げてくださった。「受かっているよ。」と。
私は、この一年間様々な壁を乗り越えることができた。この経験を生かし「教師になる」という夢に近づいていきたい。
最後に、私を第一志望校進学に導いてくれた家族や先生方にお礼を言いたい。本当にありがとうございました。
2021年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
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伊吹 穣さん | 大津京 |
2019年度 - 合格体験記
名前 | タイトル | 所属の教室 |
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大山 翔平さん | 瀬田 |