京都府立桃山高等学校
合格-2015年度

夢に向かって

私の母は幼稚園の先生をしています。だから私は、幼い頃から、幼稚園の話や小さい子どもの話を母から聞くことが、とても楽しみでした。そして、いつしか私も、母のように幼稚園の先生になりたいと思うようになってきました。幼稚園の先生 になるためには、ある一つの教科だけではなく、さまざまな分野の知識や技術を持っていることが大切だと思います。だから文系もしくは理系どちらかではなく、五教科ともしっかり学習できる国公立大学へ進学したいという希望を持っています。

また、先生という仕事は、子どもだけではなく、多くの人と関わり合う仕事だと思います。だから高校でも、部活動で仲間と一緒に目標に向かって活動していく中で、仲間と協力し、喜びも悔しさも共感し合う経験を積んでいきたいと思いました。

そして何よりも、小学校のときから取り組んできた吹奏楽を続けたい、そう願っていました。中でもマーチングは動きながら演奏するので、とても難しいのですが、全員で取り組み成功させたときの達成感は、とても大きいものでした。勉強に力を入れながら、吹奏楽のできる学校。それは私にとって、京都府立桃山高等学校でした。しかし、志望校が決まっても、部活を引退する十月までは部活と勉強の両立となり、それは正直難しいものでした。成基学園へ行っても、「目の前の課題に真剣に取り組むべきだ」という自分と、「疲れたな、眠いな」という自分が葛藤していました。でも、授業でわからない問題をそのままにしておくことは悔しかったので、必ず授業後は残って先生に聞くようにはしていました。部活引退後は受験勉強だけに集中しました。授業のある日もない日も成基学園に通い続けました。休日になると一日中、成基学園にいることもありました。

こんなにがんばれたのは、友だちがいたからです。がんばっている友だちがいたことで、自然と自分も、「もっとがんばろう」と思えました。わからない問題があっても、友だちと一緒に解くと答えが導き出され、まるで宝探しをしているような、おもしろい気持ちで取り組んだことを覚えています。

何よりも心強かったのは、授業の後、わからない問題を私が納得いくまで、時間をかけて丁寧に教えてくださる先生がいらっしゃったことです。先生に教えてもらいながらでも、解けなかった問題が解けるようになると、とても嬉しい気持ちになり、もう一度やってみようとやる気も出てきました。難解な問題が一つ解けるたびに、自信も持てるようになりました。その成果は模擬テストの結果に出てきました。私自身も嬉しかったのですが、家族みんなも喜んでくれたことが、とても励みになりました。ただ単に塾へ通うのではなく、自分から先生に尋ねに行くなどして行動を起こすことが大切であると、よくわかった受験勉強でした。

暗記教科は苦手だったので、自分専用の理科と社会のノートを作りました。そうすることによって、頭の中で整理することができました。また、自分に合わせて作ったノートなので、他の参考書よりも一番よく使いました。

そして、家族の存在がとても心強い三年間でした。私の家は共働きだったので、夕食を用意してくれたり、私を見送ってくれたりしたのは、いつも祖母でした。そして帰るときには、仕事帰りの父か母が、塾の前でいつも待っていてくれました。自宅へ帰ると、祖父や弟との会話の中で心にゆとりが生まれました。志望校に合格できたのは、家族みんなの支えがあったからだと思います。

いくつかの学校に合格する中で、どこの学校へ進学すべきか迷いました。でも、最初に自分で「文武両道」をがんばると決めていたので、最後には自分の進む高校を自分で決定することができました。部活と勉強の両立はたくさん大変なことがあります。部活の後の学習は睡魔との闘いです。それでもがんばれるのは、自分で決めた学校だからです。中学校の先生も成基学園の先生も家族も、私が本気を出したとき、その本気に気付いて励ましてくれました。だから三年後も、目標に向かってがんばり続けている自分でありたいです。そして、いつか私も、母のような幼稚園の先生となり、学ぶことや一生懸命になることの大切さを、小さい子どもたちに伝えていきたいと思います。そして、胸を張っていられるように、今を大切にこれからもがんばっていきたいです。