四天王寺中学校
（英数IIコース）
合格-2013年度

私なりの奇跡

「ここで充分やれば、奇跡は起こるよ。」落ち込んでいた私を、母はそう言って励ましてくれました。夏休みも過ぎて「日曜進学教室（日進）」が、「ベーシックコ ース」から「ウルトラコース」にうつるときのことです。とうとう「最難関特訓」には選ばれず、ショックを受けていたときです。今から考えると、私は、母のこの一言を心の支えにがんばってきたように思います。

私が成基学園に入ったのは、三年生のときです。そのときの将来の夢は、鉱物博士になることでしたので、国立の大学に行くために中学受験をしようと思って、成基学園を選びました。具体的に志望校を決めたのは、塾に入って少し経ったくらいのときです。従兄に、「女子で一番の学校はどこ？」とたずねたところ、「洛南高附中じゃないかなぁ。」と言われたので、洛南高等学校附属中学校に行きたいなと思いました。

一年後には、洛南高附中の「学校見学会」やオープンキャンパスにも参加し、そのとき、「ぜひこの学校で勉強したい!!」と思いました。そして、この洛南高附中に行きたいという思いと共に、私の夢は少しずつ現実的に変わっていき、『チーム・バチスタの栄光』の著者である、海堂尊さんの本を読み、海堂尊のように医者になり、本を書いてみたいと思いはじめました。

当時の私は勉強も楽しく、友人関係の方も良い状態でした。しかし、五年生の二学期頃から友人関係でいろいろあって、「オープンテスト」の成績が下がってきました。誰にも相談できなくて、一人で我慢をしていました。五年生の終わりになると、もう一人ではたえられないと思って、母やI先生に相談しました。塾の友人の中には、勉強が大変なのに支えてくれたり、はげましてくれた人もいました。けれど、六年生の初めも成績は落ちてしまっていて、当然、「日進」のクラスは上位クラスに入れず、ましてや、洛南高附中を受験するのに重要な「最難関特訓」には程遠い成績で入ることができず、「夏期学習合宿」も思った通りのクラスに入ることができませんでした。私の目を覚まし、もう一度勉強に向かわせてくれた母の言葉は、この少し後のときのものです。順位も少し上がっていき、赤本も何度も繰り返しやりはじめました。そして、十月の終わり頃、先生と話をして受験する学校を変えました。それから「正月特訓」、「直前特訓」があっという間に終了し、母と、「すべての学校を、第一志望と思って受ける。」と約束して、受験が始まりました。

一日目は、四天王寺中学校。筆記試験は自分では納得がいっていたのですが、面接で緊張してしまい、一回舌を噛んでしまいました。二日目は、帝塚山中学校を受けました。自分では納得のいく答案を書けたと思いました。そして三日目。この日は、午前は洛南高附中、午後は京都女子中学校があって一番緊張しました。そして、その緊張がたたったのか、京都女子中では何を書いたか覚えていないし、洛南高附中では、社会の問題が分からなくなって頭が真っ白になってしまいました。ですがその日、帝塚山中の結果が来て、スーパー選抜クラスは行けませんでしたが、英数クラスには受かっていました。初めての発表で合格。とても嬉しかったです。次の日、四天王寺中の合格発表がありました。私が学校へ行っている間に、母がインターネットで「合格」を確かめてくれていました。けれど速達は来ず、どちらのコースかはわかりませんでした。さらに一日経ち、洛南高附中の合格発表日が来ました。昼からだったので、朝は家で四天王寺中からの速達を待っていました。「英数IIに通りたい。通りたい……。」その思いが通じたのか、四天王寺中は英数IIコースに通っていました。二つ目の合格も嬉しかったのですが、まだ発表が二つ残っています。しかも一つは、本命の洛南高附中でした。ドキドキしながら見に行くと、不合格でした。悔しくて会場で泣き、塾へ行ってI先生に、「泣けることは、それだけ努力したからだよ。」と言っていただきました。悔しい、努力が水の泡……そう思っていました。ですが、先生の一言に、四天王寺中でがんばろうと思いました。

実際に奇跡を起こせたかどうかはわかりませんが、私なりに全力で取りくんだことは間違いではなく、この結果が奇跡だったかどうかは、これからの私の生き方で決まると思います。今は、塾に通っていた間、関わってくださった先生、友人にありがとうと言いたいです。そして受験生のみなさん、夢を追いかけ続けてください。