立命館宇治中学校
合格-2013年度

ライバルがいたからがんばれた

小さい子どもの世話をするのが好きな私は、保育士になるのが夢です。四人兄弟の末っ子である私は、お姉ちゃんとお兄ちゃんによく面倒をみてもらいました。それがきっかけで、今度は自分が、年下のいとこの相手をするのが楽しくて将来の仕事にしたいと思いました。

そのために、大学で資格をとろうと考え、立命館宇治中学校を受験することを決めました。立命館宇治中の入試日は、一月十九日と一月二十一日でした。私は、緊張感もなく入試日を迎えました。今までやってきた全てのことを解答用紙にぶつけました。そして、一月二十二日、合格発表の日。私はドキドキして、まったく落ち着くことができませんでした。合格掲示板のあるところまで行くと、すでにたくさんの人が集まっていたので、私は走ってその前に行きました。そして、番号を目で追ったのです。「あった、PM三〇四四。」その瞬間、顔が熱くなって涙が出そうになりました。合格発表の後、車の中で、この三年間のことを振り返っていました。

私は、小学四年生の夏ごろ、成基学園の宇治教室に入塾しました。周りは知らない人ばかりで、しかも学校の授業とはまったく違って、ついていけませんでした。とりあえず宿題をやって、漢字の直しをしているだけでした。五年生になっても、ただ宿題をしていただけで、他は何もしていませんでした。また、受験ということが何なのか、わからないまま、私は六年生に進級しました。

六年生になると、いきなり忙しくなりました。五年生のときに勉強していなかった私は、ショートテストも下位にいて、授業にもついていけませんでした。六月になり、「日曜進学教室（日進）」が始まりました。「日進」での成績はまったく上がらず、そのせいで、塾をやめたいと思ったこともありました。

夏休みに入ると、「夏期学習合宿」が待っていました。一日十時間以上の勉強で、体も心も疲れきっていました。そんなとき、お母さんが、「がんばった子には、必ずいいことがあるよ。」と言ってくれたことを思い出し、またがんばろうと思いました。「夏期学習合宿」では自分の苦手分野がわかり、とてもいい経験だったなと思っています。夏休みが終わっても、ホッとできませんでした。また「日進」が始まりました。夏休みの成果が出たのか、得点は少しずつ上がっていきました。

しかし、秋になると、苦手な教科が目立って、足をひっぱるようになり、また得点が下がりだしました。ライバルや友だちにも追い抜かれ、お母さんにも、とうとう、「このままやったら、合格は無理。」と言われてしまい、私は悔しくて、悔しくて、一人で泣いたときもありました。それから私は、時間がある限り宇治教室に行き、解らないことを質問しました。夜は、眠たくても三十分から一時間くらい、その日の授業の復習をしてから寝るようにしました。それでも成績は、なかなか思うようになりませんでした。国語の成績は安定していました。算数も、何度かいい点数を取れるようになりました。理科も、先生からもらったプリントをこなして、点数が取れるようになっていました。問題は社会でした。歴史が大嫌いだった私は、みんなにできていることが、私にはできていませんでした。そのためか、次第にやる気も失せ、まったく勉強する気がしませんでした。

そして、十二月になり、赤本をやり始めました。社会をやってみると、八十点満点中、五十点と最悪な点数でした。総合でみてみると、やっぱり社会が足をひっぱっていました。でも、赤本をやっていくうちに、少しずつ歴史が覚えられるようになりました。社会のテストでも予習をするようにすると、さらに歴史の年号も覚えられるようになりました。一度解き終わった問題をもう一度解き直してみると、八十点という、自分でも満足がいく点数がとれて、最後まであきらめないで、きちんと取り組んでよかったと思えました。

私は受験を通して、体も心も強くなりました。この三年間、努力してきたからこそ、今こうして合格できた喜びを、全身で感じることができるのだと思います。

私が合格できたのは、私にたくさんのことを教えてくださった宇治教室の先生方、私が寝るまで待っていてくれたり、夜遅く迎えに来てくれたり、お弁当を作ったりしてくれた両親、私が落ちこんだときも励ましてくれた塾の友だち、たくさんの人たちがいたからこそです。この三年間、私のことを支えてくださって、ありがとうございました。

私は立命館宇治中に進学してからも、夢である保育士になるために、中学受験で学んだ「何事もあきらめない」ということを生かして、これからの中学校生活を全力で取り組んでいきたいと思います。