帝塚山中学校
(男子英数コース 英数クラス)
合格-2017年度
依頼人の身になって考えることができる弁護士になることです。
ぼくはテレビのニュースでよく事件の裁判結果を見たりします。しかし、後になって証拠が見つかり、無罪と判決された加害者が有罪となることがあり、被害者の立場に立って考えると、理不尽な判決だったんだと感じることがあります。こういう時に、そばで考えてくれる弁護士さんはかっこいいなと思えました。志があると自分がこれからやることが明確になってくるので中学でもこの志を持ってがんばっていきたいと思います。
ねばり強く
ぼくが成基学園に入ったのは四年生の春でした。もともとぼくはとても勉強がきらいで、授業も「へえ~そーなんだー」で終わることが多く、「受験」するという意志は持っていませんでした。
しかし、五年生へ進級し、受験を意識するようになり、「新しい自分になろう!」と決意しました。
でも思い通りにはいかず、成績も上がり下がりで全然ダメでした。ある時、算数の授業でS先生からオープンテストの結果を返された時のことです。「彦徹」と呼ばれて行くとひどい点数で、「S先生に叱られる!」と思ったら、「いっしょにがんばろうな、彦徹!」とはげましの言葉をくれました。ぼくはその言葉に思わず泣いてしまいました。でも、この時、「これからもっとがんばって合格して先生に自分の笑っている姿を見せたい!」と思うようになりました。
ある日の事、S先生に志望校を聞かれて、「まだ決めていません」と答えると「早く決めておいたほうがいいぞ。このまま目標がないまま勉強をしていると、自分がどこに向かっているのか、なんのために勉強しているのか、分からなくなってしまうぞ。」と言われました。ぼくは依頼人の身になって考えることができる弁護士になりたいのに、それにちょっとでも近づく努力をせず、今までただがむしゃらに勉強をしているだけだったことに気づきました。この日から自分の「志」へと向かっていく勉強をする努力を始めました。
六年生に進級した時は、「もう自分は受験生なんだ」と強く自分に言い聞かせました。五月になると自分でも信じられないような事が起きました。それは大きらいだった「算数」の授業をとても楽しく感じるようになったことです。理由はみんなが「難しくて解けないよ~!」と音をあげる問題を解くことができ、正解できたからです。「わかるってこういうことなんだなあ。」と思いました。
第一志望校を帝塚山中学と定めた夏、〈夏期学習合宿(合宿)〉が始まりました。「修学旅行みたいなものなんじゃない?」と思っていたけど予想とは全然違いました。長時間の勉強で気がうせたり、わからない問題でつまずいたり、テストの点が悪かったりと挫折をいっぱいしました。でも〈合宿〉に行って、二つうれしいことがありました。一つ目は新しく友だちもでき、はげまし合うことで勉強をすらすらと進めていくことができたことです。この経験がなかったら、「この合宿で何を学んだのか」がわからないままだったかもしれません。二つ目はあまり得意ではなかった理科が上達したことです。自分の苦手だった計算も合宿の中でどんどんできるようになり、最終日には一〇〇点中のテストで九十九点もとることができました。ここで知ってほしいことは最初がダメだったからこれからもダメじゃなくて、最初がダメだったから次はできるようにすることです。
〈合宿〉も終わって十二月になりました。入試に近づいていくうちに帝塚山中に行きたい気持ちが強まる中、緊張も強まってきていました。〈日曜進学教室〉〈チャレンジコース〉では、得意の国語だけでなく算数と理科も上がっていきました。しかし、最後の第二十回目ではとても残念な結果に終わり「自分は合格できるのだろうか」と不安な気持ちに負けそうになる毎日でした。
そしてむかえた試験当日。先生から激励をもらえたおかげか平常心で試験に臨むことができました。その日の試験を終えた時には、「ベストを尽くせた!」と思えました。次の日の試験も終わり、帝塚山の合格発表の日をむかえました。HPの発表で、専願の結果から見てみると、そこには「不合格」という三文字がありました。思わず泣いてしまいそうになりましたが、その時、ある日Sくんに言われた事を思い出しました。「どこまでもねばり強くがんばれ!」大丈夫。自分にそう言い聞かせ併願の結果を見ると、そこにはなんと「合格」の二文字が。がけっぷちの状態から逆転できた! という喜びと、大学受験でも、合格をつかみ取り、喜びをかみしめている未来の自分を想像しました。
今まで支えてきてくれた家族、友だち、先生方本当にありがとうございました。これからも志を実現させるために、がんばっていきます。
そして、これから受験生となるみなさんへ。言葉では言い表せない喜びが「合格」の先に待っています。努力を続ければ、合格はつかみ取ることができます。がんばってください!