京都府立城南菱創高等学校
合格-2017年度
一人ひとりが社会に関心をもつきっかけになれるようなアナウンサーになることです。
私は、受験を通して自ら知りたいと思えることの喜びを経験しました。母や祖母から向いていると言われたこともあり、元々興味がありましたが、今は自分の意志でなりたいと思っています。アナウンサーになって、老若男女問わず見ている人の知りたいスイッチをオンにするきっかけになりたいです。
二兎捕まえました。
「二兎を追うものは一兎をも得ず」ということわざがあります。私の受験を一言で表すなら、まさに「二兎を追い続ける」というものでした。
私は、中学二年生の〈冬期講習会〉から成基学園に入塾しました。それまでは定期テスト前にしか勉強しておらず、受験のことも全然知りませんでした。そんな生活に焦りを感じ始めた私は、母に「塾に通いたい。」と自分からたのみ、通っている友だちや、塾の雰囲気から入塾を決めました。
中学三年生になり、まわりも私も受験生なんだと実感するようになりました。でも私には、受験勉強と同じくらいか、それ以上に力を入れて頑張りたいことがありました。それは、小学三年生から入っている宇治市の合唱団です。四月に入って、受験生になったと同時に、私はその合唱団の団長になりました。ここから、私の「二兎を追い続ける」受験生活が始まります。
合唱団は、毎週土曜日の午後に練習がありました。本番前になると、日曜日が丸一日練習の日もよくありました。部活動と違うところはというと、合唱団はテスト前でも入試前でも関係ありません。だから、二月十六日の前期入試前も、私はいつものように練習に参加していました。
一番両立が大変だったのは、夏休みです。部活も終わり、みんなが本格的に受験モードに切り替わってきている中、私はそれどころではありませんでした。合唱団の夏は忙しく、遠征や合宿などが塾とかぶってしまうこともよくありました。特に思い出深いのが、京都平安ホテルでの〈夏期学習合宿(合宿)〉です。五日間あった〈合宿〉に、また合唱団の練習が重なってしまいました。はじめは、どうしても練習に参加をしたいと思ったので、〈合宿〉をあきらめようかと思っていました。ですが、宇治教室のM先生のおかげで、練習のある二日目の朝に母に迎えに来てもらい、昼に平安ホテルに送り届けてもらうという形で参加させてもらうことができました。
そして、〈合宿〉では全然知らない人と同じ教室で学び、同じ部屋で過ごすという日々に刺激をうけました。冗談じゃなくて本当に、生きてきた中で一番勉強した五日間でした。〈合宿〉を通して、普段からの学習方法や長時間集中力を保つ力を得ることができたと思います。
そして秋になり、〈日曜進学教室(日進)〉が始まりました。ここで勉強に火がつき…と言いたいのですが、そうではありませんでした。最後の追い上げであるはずの二学期に、私はスランプにおちいってしまいました。毎週の〈日進〉もいいかげんになり、点数も下がる一方でした。それでも私は、心のどこかでまだ何とかなるだろうと思っていました。そんなぐだぐだだった私にやっとエンジンがかかったのは十二月にあった塾の三者面談でした。そこで、中学二年生の頃から第一志望にしていた高校を難しいと言われました。受験生になって初めてと言ってもいいくらいに悔しくて、でもそれと同時にどこかすっきりしている自分もいました。いつのまにか、目標を見失っていたように思います。
そこから吹っ切れた私は、急いで第一志望の公立と私立の高校を決め直しました。好運にも、私が思っていた高校はどちらも個別相談会がまだ残っていました。三者面談のあったその週の土曜日、私は新たな目標に向けてスタートをきりました。〈冬期講習会〉や〈直前特訓〉を重ねるにつれ、いつのまにか勉強をさけていた私が、自ら学ぼうとするようになりました。それからというものの、勉強することが苦ではなくなってきました。自分の苦手もはっきりと分かるようになり、とにかく数学をやりこんで追い込みをかけました。
入試当日、大の苦手だった数学を解いていて、楽しいと思えました。自分でも驚きましたが、今までやって来たことは嘘をつかないんだと知ることのできた経験でした。そして緊張の中迎えた発表の日、第一志望の高校に合格することができました。母の顔をみた瞬間、涙が止まらず、安心感と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
私の将来の夢は、「一人ひとりが社会に興味をもつきっかけになれるようなアナウンサーになること」です。私は受験を通して、自分から、知りたいと思える喜びを知りました。だから私は、アナウンサーになってたくさんの人がその経験ができるような、きっかけを作りたいと思っています。
第一志望校に合格し、合唱団のコンクールでも賞をとることができ、「二兎を追い続けた」私はどちらも手に入れることができました。これは私のやりたいことを尊重してくれた、お父さんお母さんや塾の先生がいてくださったからです。本当にありがとうございました。
後輩のみなさん、まわりの人への感謝の気持ちを忘れず、自分の夢や目標を強く持ち、あきらめないでください。応援しています。