高校時代の手記
前田 剛志
洛南高校A 入学 東大寺高合格 亀岡中卒業 五条教室中1 より園生
くやしいか剛志、くやしいな剛志(途中で投げるな、あきらめるな、ひたすら歩け)
ぼくは、小学校四年生のときから、ある進学塾に通っていました。自分なりに努力はしましたが、不幸にも中学入試に失敗してしまいました。( 東大寺学園中学校と洛星中学校)。
そして、中学校に入学すると同時に成基学園に入り、三年間通い続けた結果、今春、東大寺学園高校と洛南高校Ⅲ類A に合格することができました。
そこで今回、この合格体験記を書くにあたり、中学校三年間のことを、ぼくの反省も含めて、少しでも皆さんの参考になればと思い書いてみることにします。
一、二年生のころ
洛星中学校の合格発表の日、ぼくは帰りの汽車の中でうずくまっていました。結果は不合格でした。いろいろな人が僕を慰めてくれましたが、涙はとまりませんでした。うるんだ
目で、窓の外を流れ行く光景を見ながら、ぼくは心の中で「くそう、くそう。」と何度も叫びました。くやしくてくやしくてたまりませんでした。しかしそんな中で、ぼくは涙をぬぐいながら、自分に言い聞かせました。「くやしいか剛志。くやしいな剛志。二度とこんなくやしさを味わいたくなければ努力するんだ。今から三年後、笑ってこの汽車に乗れるように、苦しくても我慢するんだ。」
(この考えは、三年間ぼくを支え続けました。苦しい時も悲しい時も、これを思い出して努力し続けたのです。ぼくは小学校の時の失敗を、最大の武器として生かしたと言ってもいいでしょう。)
成基学園では、入園時から特進クラスでしたが、初めての授業では「難しすぎてつい行けない。」と思ったものでした。けれども、なんとかついていこうと思い、一か月間ほど受験前のように必死に努力しました。その結果、クラスでも上位にいることができ、その後もその成績をできる限り維持しようと、ますます努力するようになりました。おかげで三年間、模擬テストで常に上位を保つことができました。
成基学園の授業に確実についていくことのほかに、ぼくは学校の授業を完璧にマスターすることも心がけました。何よりもまず、基本はやはり学校の授業です。特に、軽視されがちな理科と社会に力を入れておくことをおすすめします。それから、ぼくほ通園に一時間以上かかっていまし
たが、その通園途中に勉強することができました。皆さんの中にもそんな人がいるかもしれませんが、ほかの人より不利だと思わず有利だと思ってください。ボケーとしているのではなく、単語の一つでも覚えてはどうですか。また、通い続けることによってすばらしい根性、忍耐力もつきます。
夏期講習会
夏期講習会の先生は厳しいと聞いていたので、テキストをもらうと急いで予習をしました。しかし、テキストは電話帳のような厚さで、半分と予習はできませんでした。そうしているうちに講習会がはじまり、毎日朝の四時ごろまで予習に追われました。授業は厳しく、内容も難しかったけれども、休まずについていくことによって、かなり身につきました。
考えてみれば、この講習会の間、少ない睡眠と食事の時間以外は、ほとんどテキストをもって勉強していました。それだけしなければついていけませんでした。だから身も心も本当にやつれてしまいました。しかし続けることが大事です。休まずに通いつづければ本当に力がつくことを保証します。
日進
夏期講習会のおかげで、スムーズに入ることができました。基本問題もあれば、入試問題もあり、内容的にはよかったと思います。十五回あった中で常に十番以内を保てたのは、やはりまちがった問題を確実にやったからだと思います。日進では、成績がよかった悪かったが問題ではなく、復習することが大切なのです。ぼくは復習を少しさぼって、十五回全部をすることはできませんでしたが、解説をすみからすみまで読んで、完全に納得するまで考えてください。日進の問題は十五回あわせると一冊の問題集にもなります。今考えてみると、日進は、ぼくがいちばん力を入れた問題集ではなかったでしょうか。
試験当日
東大寺学園高校は、二月十日(月)朝は六時前に起きたので眠たかったけれども頭がスッキリしました。御守りを二個つけたかばんには、必要所持物以外に心配でしたから参考書を入れていました。(結局、見なかったけれど)汽車の中でほかの受験生が参考書を見ていましたが、「今ごろ勉強しているのか、かわいそうな人だ。」と思い、友達としゃべっていました。受験場では、周りに友達がいたので気が楽でした。高校入試という雰囲気はなく、模擬テストを受けに行っている感じでした。内容は、さすが東大寺だと思わせる難問でしたが、自分はではできたんだと暗示をかけながらがんばりました。特に言うことはないですが、ヒヤリングは日進より聞きやすいものですが、記号でなく文で書かせるので注意してください。
洛南高校、二月十四日(金)中学校の先生、友達と一緒に行ったので、汽車の中は修学旅行のようでした。高校に着いてからは地図帳を見ていました。ほかの受験生は緊張気味でしたが、ぼくはなぜか余裕がありました。試験のはじまる前には合掌をし、中学校三年間のことを思い出しました。いろいろお世話になった先生の顔、苦しかった毎日の勉強、そして洛星中学校の発表のことが頭に浮んできました。試験は、予想外に数学が難しくプレッシャーを感じました。またひねくれた問題が多く、それらが心のあせりに追いうちをかけました。しかし、ほかの人もできていなかったようなので気分的には楽でした。
各科目別の学習内容など
ぼくは、学校の授業を基本に、成基の授業をのせ、足りないところをその他で補うという勉強をしました。
国語
一番苦手でした。理由は本をあまり読まなかったことにあると思います。そのため、この科目は、あまり勉強しませんでした。ただ、一度やった問題は必ず復習することを心がけました。また文学史や漢字など、確実に点をとれるものは、きちんとしました。問題文を何度も読むことも忘れずに。
- 力がつく国語一~三(教学研究社)
- やさしい古文(学燈社)
- 漢字実力テスト一~三(旺文社)
- 実戦の国語(晶文社)
- 中級現代文問題(中央図書)
- 簡明国語文法(日栄社)
- 中学国文法(教学研究社)
- 明解シリーズ(有朋堂)
- 理解しやすい新古文・新現代文(文英堂)
数学
特別変わったことはしませんでしたが、とにかく数多くの問題をし、納得のいくまで考えました。そして、わかれば自分で模範解答をノートに書いてみるのです。これは随分、力がつきました。また、多くの問題をこなすとパターンがあるのに気付きました。おそらく高校入試程度の問題は、全く新しい形というものがないでしょう。ある基本に、いろいろと工夫がなされているのです。
それから、この科目を勉強して最も強く感じたことですが、数学は毎日やることが大切です。一度にたくさんやるより、少しずつでもコツコツとやるのがいいでしょう。
- アタック一~三、高校入試(文研出版)
- A クラスの代数・幾何(昇龍堂)
- 新中学問題集 一~三(教開出版)
- チャート式基礎と演習数学(数研出版)
- 高校への数学日々の演習(東京出版)
英語
だいぶ波がありました。毎日コツコツとやりました。そして「英語を上達させたいなら単語を覚えることが、まず第一に大切なことで、単語を知っていればだいたい六割わかる。」とどこかの先生が言っておられましたが、本当にそのとおりでした。また最近、ヒヤリングの問題が増えてきているので、発音などにも力を入れました。
- プログレス1~4
- 新中学問題集一~三(教開出版)
- チャート式基礎と演習(数研出版)
- 実戦の英語(晶文社)
理科
数学と社会を組合せたような勉強をしました。ですから主に一分野なら、問題を多くこなしパターンを身につける、二分野では、興味をもって暗記する、といった感じでした。この教科は一、二年生のうちにしっかりと基礎をかためておくことが大切です(学校の授業を完璧にマスターする。)そして三年生に応用をするという勉強法にしました。
- 総整理(教学研究社)
- 自由自在(受験研究社)
- 難問スイスイ(晶文社)
- マイコーチ(学研)
社会
最も得意な科目でした。ただ覚えるだけで、点数がとれる唯一の科目です。覚えるのが苦手だと言う人がよくいますが、そんなことはありません。興味をもって、何度も繰り返せば覚えられます。皆さんだって興味をもった歌謡曲を何度も聞いたり歌ったりすると自然に覚えるでしょう。あれと同じです。この科目も理科と同じように一、二年生のうちにしっかりと基礎をかためていきまし
た。一度覚えても、繰り返さなければ忘れるので注意してください。また、日進の復習は最低必ずやるように。そして日頃から新聞などを見るようにこころがけてください。
- 総整理(教学研究社)
- 自由自在(受験研究社)
- 難問スイスイ(晶文社)
- マイコーチ(学研)
- ハイトップ(旺文社)
- ズバリ要点(学研)
- 日本国勢図会一九八五(国勢社)