京都市立西京高等学校附属中学校
合格-2015年度
勉強を楽しんだ結果
私の将来の夢は、患者さんを安心させられる、優しく腕のいい医者になることです。これは私が小さいころから変わらず、自分の中ではっきりと決まっていることです。私は小さいころひどい喘息で、体も弱く、いつも病院にお世話になっていま した。入院も何回もしていたのですが、あるとき、私は喘息をこじらせて肺炎になってしまいました。呼吸困難になったときの、「私はどうなるのだろう」という不安と、死に対する恐怖は今だに覚えています。けれど、そんな私を主治医の先生は卓越した技術で治してくださったし、言葉でも私を安心させてくれました。私はそんな先生を見て、医者という仕事のすばらしさを感じ、私も医者になりたいと思ったのです。
そして、私が医者という夢を実現するためには、英語の力や、自分の思い・考えを相手にうまく伝える力が必要になってくると考えました。京都は観光都市として有名になり、外国の方もたくさん訪れていますし、英語が今、世界共通言語となったため、これからの社会でますます英語は必要となってくると思ったからです。また、自分の考えや思いを伝える力は、カンファレンスなどの際に求められます。そのため、この力を身につけられる中学校は京都市立 西京高等学校附属中学校だと思い、志望校に決めました。
私が成基学園に入塾したのは、六年生の春でした。西京・洛北・園部コースがあったため、その中でも、このコースに力を入れている知求館に入りたいと自分の意志で決めました。けれど、初めは先生や塾の友だちの言っていることが呪文のように聞こえました。「みんなに追いつかなくては」と、そこで強く思った私は、受験までに人一倍努力しようと心に決めました。
それから、だんだんと友だちの中に良きライバルもできました。ライバルと競うことによって、より楽しく授業を受けられました。そして、私は勉強をすることで新しいことを学び、それを知識として身につけられる楽しさにとらわれていきました。勉強は、すればするほど新しいことを学びとれる、これはあたり前のことですが、それが「理解」につながり、「成績」につながり、「合格」につながるのです。
そして、ときがたつにつれて苦手教科は浮き彫りになるものです。私の得意科目の国語は、N先生の熱心なご指導と莫大な量の宿題をこなしていくことで、読解力問題の読み取り方、記述の書き方、文法などを理解し、独自の考え方を持つこともできました。しかし、問題は算数でした。一問一問、さまざまな考え方を複雑に組み合わせて解かなくてはならないので、大抵の場合、途中で私は次の一手を見失ってしまうのでした。そして、それは〈西京高校附属中学模試〉の結果によく表れていました。私はA判定にはいつも届かず、B判定止まりでした。そこでいつも足を引っ張っていたのが算数でした。得意科目を極めるだけでなく、苦手科目にも磨きをかけなくては、そう思いました。それから私は、算数のS先生をいつも以上につかまえて質問するようになりました。授業のない日も塾の自習室で勉強することで、集中もできました。
そして、入試の数日前、自習室で同じように勉強しているときに、N先生にかけていただいた言葉が私は忘れられません。私は、入試までに自分のやれることはやってきたと思っていましたし、このころになると成績が大きく沈んだりもしませんでした。でも、だからこそ、「入試で、もしものことがあったらどうしよう」という不安がありました。だから、そのときにかけてくださった、「おちついてやればNちゃんは大丈夫。それぐらいの努力量をやってきたんだから。」という言葉は私の背中を押してくれました。そして、このとき私は同時に、言葉のすばらしさを感じました。私の病気を治してくださった主治医の先生の言葉、このときのN先生の言葉、そして今まで、さまざまな人がかけてくれた言葉に私は支えられてきたと、改めて感じたからです。そして、私も他の人を勇気づけられるような言葉を届けられる医者になるためにも、絶対に西京高附中に合格するぞ、と心に誓いました。
入試当日は、模試と同じようにおちついて解けました。けれど時間配分は、問題に集中し過ぎて上手くできなかったところがあったので、これから受験するみなさんは気をつけてください。私は試験後、「意外とできたな」と思いました。けれど、そう思えたのもつかの間でした。その後、成基学園でわかるところだけでも、凡ミスを多々していたことに気づいたからです。それからは胸の中が不安でいっぱいでした。そんな中で迎えた合格発表日。神にもすがる思いで、私は掲示板を見ました。三一一番、この番号があった嬉しさは忘れられません。
私は、勉強を楽しんで行った結果が合格なのだと思います。そして、勉強の楽しさを教えてくださった先生方、支えてくれた家族、たずさわってくれた全ての方々、本当にありがとうございました。